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病院経営者のための会員制情報紙/集中出版株式会社

未来の会

【「集中」の是々非々 29 】

【「集中」の是々非々 29 】

「当事者になって見えたモノ」 

【日本の医療制度の改革が待たれる】

COVID-19が世界を襲ってから既に2年以上が経つ。テレビでは朝から晩までCOVID-19情報を発信し、新聞は紙面を大きく割いて記事にする。横浜のダイヤモンド・プリンセス号騒動が遠い昔の話に思える。その遠い昔に思えるあの頃からずっとCOVID-19が世界の中心にいる。まさにパンデミックだ。テレビでは感染症の専門家が番組を掛け持ち出演する。多くの感染症専門家や、最前線で闘う医師が自身の言葉で情報発信をしている。世界中の医師や研究者がCOVID-19に関する有益な情報を開示している。非常に有り難い。
しかし、日本ではそれらの有益情報がCOVID-19対策に有効活用されている様子は見えない。世界の有益情報が活用出来ずに、選ばれた一部の有識者、又は一部の組織だけの意見で日本の舵取りを行う。危険極まりない現実があった。
既に第6波だが、昔に見た光景ではないが、初期の頃に聞いたような対策を繰り返し続ける日本。機能不全とはこの事か。何故、機能不全を起こすのか?
パンデミックの時こそ国力や指導力が求められるが、最強の総理と言われた安倍元首相も最強の官房長官と言われた菅元首相も、日本の医療を管理監督出来ずに討ち死にした。最強と言われた二人の政治家でも管理監督が出来ない日本の医療とは何だ?今回のパンデミックで、感染症の専門家や現場でCOVID-19と闘う医師らは、当事者となって初めて見えたモノが有るのではないだろうか?第三者や部外者の時には見えなかったモノとは何だろうか?
それは厚生労働省医政局の実態だ。医政局の考え方は魑魅魍魎としか言えない。それは医政局の伝統なのかも知れない。PCR検査の不足に始まり、保健所の問題や病床不足など、ギクシャクする医療の根源は医政局の魑魅魍魎な考え方によるものだろう。
この医政局を巡る話は様々あるが、2000年頃には医政局解体論が自民党や厚労省内に存在していた。しかし、そこからの医政局の巻き返しはお見事だった。当時の医系技官のトップは医政局長だったが、何と、事務次官に相当するポストの「医務技監」を新設して勝ち取った。医政局恐るべしだ。
日本の医療は世界に誇れるレベルにあり、日本の宝でもある。しかし、今回、国民は今の医療制度がパンデミックに於いては機能しない事を知った。また、過去のパンデミックから何も学んでいない事を知った。感染症の怖さも知った。誰もが今の医療制度では危険だと知ってしまった。次のパンデミックの時のために、是非とも医療制度改革をして頂きたい。
その任を担うのは当然ながら厚労省医政局だ。省益や局益を超え、英知を駆使して国民の健康を守る制度を作成して欲しい。
先ずは、感染症法だ。パンデミックでは、保健所が全てを管理する仕組みが機能しない事を露呈した。医師が目の前の患者に医療を提供出来ない制度は応招義務の面から見ても有り得ない。医療を受ける事が出来ない自宅療養者が47万人もいる現実を見ても医療制度の改革は待った無しだ。そして、医療制度の改革には医師や医療関係者など幅広く多くの声を集約するべきだ。今までとは違い、国民が注視している。

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