SHUCHU PUBLISHING

病院経営者のための会員制情報紙/集中出版株式会社

未来の会

【「集中」CEOの是々非々 ⑥ 】

【「集中」CEOの是々非々 ⑥  】

「企業検診の義務化を予防医学を目指す」

「予防医学にシフトするべき時だ」

医療費削減に関する話はこれまでも数多くあるが、極めつけは1983年の厚生労働省吉村仁保険局長の論文「医療費亡国論」だろう。米国の医療経済学者の論文に感心した保険局長が日本に導入し広く展開した。このまま公の医療費が増大し続ければ国の財政は破綻すると。しかし、この時の医療費については自由診療で使われる医療費は対象外という事から、国は自由診療へシフトするのでは・・・と考えた人も多かったと記憶している。この中で保険局長は国民も相当の負担を持つべきと2割負担を迫った点は勇断だった。しかし、この論文が呪縛のようにその後の厚労省に棲みついた。世の中は時間とともに変遷し発展するものだ。30数年前の論文で現在の医療費問題を論じる事は出ない。医療界にも「経営と資本の分離」を取り入れるべきだろう。医療は医師が全権を持ち、経営は経営のプロが担う。昨今、本業が立ち行かなくなった企業の多く医療ビジネスに参入し成功を収めている。富士フィルムメディカルはその最たるものだ。本業である写真フィルムがデジタルの出現により完全撤退を余儀なくされたが、フィルム技術を応用し、化粧品、医薬品、医療機器などの医療ビジネスへシフトした。そして日本を代表する医療ビジネス会社となった。富士フィルムHD代表古森重隆の柔軟な発想が信じられないような成功を作ったのだが、経営のプロが厚労省にも医療法人にも必要だと思う。
閑話休題
このままでは医療費は50兆円に到達する。しかし、30年前には存在しなかったIT技術がある。AIもある。ゲノムもある。これら先進技術を取り入れ、今こそ省庁間の縄張りや学閥的な発想を捨て、ワンチームで医療改革を目指す。その活用先は予防医学が早いに違いない。沢山の仕組みがコンクリートのように固まった治療医療でなく予防医療が好都合だろう。ここで大きな成功例として厚労省が企業に義務付けた「ストレスチェック」を見習うべきだ。この制度、厚労省は企業の猛反対を乗り超え、労働安全衛生法を改正し2015年12月にスタートした。この制度のお陰で精神疾患の予備軍が見つかり、早い段階での治療を開始する事が可能になった。最高の予防医学になっている。これに倣い、企業に属する社員に年一回の検診を義務付ける。同時にこの検診にはITやAIやゲノム等の先進技術をフル活用する。企業検診は保険適用外でもあり導入をする事にハードル低いはず。これで疾病の早期発見が可能になる。社員の健康は企業の業績に直結する。そして医療費の削減が可能になる。強固な力を持つ安倍政権であれば出来る話だ。高齢社会をばく進する日本の行方を世界は注目している。


【「集中」CEOの是々非々 ① 】「大日本印刷北島社長の引責辞任」
【「集中」CEOの是々非々 ② 】「悪辣な看護師派遣ビジネスで重い医療法人の財務負担」
【「集中」CEOの是々非々 ③ 】「日本大学田中理事長体制を守ってきた責任は文部科学省にある!」
【「集中」CEOの是々非々 ④ 】「東京にタクシーがいない・東京オリンピックにむけて大丈夫?」
【「集中」CEOの是々非々 ⑤ 】「大日本印刷北島社長の引責辞任(2)」
【「集中」CEOの是々非々 ⑥ 】「企業検診の義務化と予防医学を目指す」
【「集中」CEOの是々非々 ⑦ 】 「新型コロナウイルス対策」
【「集中」CEOの是々非々 ⑧ 】NIPT(出生前遺伝学的検査)は知る権利の一つだ」
【「集中」CEOの是々非々 ⑨ 】「地に落ちた権威・WHO」
【「集中」CEOの是々非々 ⑩ 】「世界が疑う日本発の情報」

 

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