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第105回 厚労省人事ウォッチング
注目される元厚労官僚議員達の活動

第105回 厚労省人事ウォッチング注目される元厚労官僚議員達の活動

国政に転身した元厚生労働官僚が目立っている。今年2月の衆院選では、30代の元官僚が初当選を果たし、嘗て話題を呼んだ元職は返り咲く等、いきなり与野党の要職に就くケースが相次いでいる。参院では少数与党が続いており、厚労省も無視出来ない存在になっている様だ。

 厚労省界隈で最も注目されているのが、衆院選で躍進したチームみらいで初当選を果たした古川あおい氏だ。政調会長を務める古川氏は佐賀県出身。同県知事だった古川康氏を父に持つ。東京大学法学部を卒業し、東大公共政策大学院を修了後に入省した。老健局総務課や医政局経済課等に在籍し、介護保険制度改正や医療系ベンチャー支援に従事していたという。

 古川氏を知る厚労官僚は「元々政治家志向が強かった訳ではない筈。チームみらいの選挙を手伝う内立候補を誘われた様だ」と明かす。その上で「人間臭い人物で周囲の人間が支えてあげなければという気持ちになる。人間性も良い。只、社会保障、政策全般に対して持論に乏しい党なので、古川氏が1人で矢面に立っている」と明かす。

 厚労省の或る幹部は「チームみらいは衆院で11議席、参院も1議席確保しており、社会保障国民会議にも率先して参加した。政府・与党内での重要性は増している」と指摘する。今後は政調会長として、党としての独自性を如何に発揮出来る様になるかが問われる。

 参政党公認で政界復帰した豊田真由子氏も話題を呼んでいる。東大法学部卒で老健局高齢者支援課課長補佐時代に退官した豊田氏は当初、自民党で出馬。2回当選したが、秘書に対するハラスメント等で辞職した。

 その後浪人期間を経て、今年の衆院選で9年振りに当選した。政界復帰は参政党の神谷宗幣代表から熱心に誘われたとし、現在は国会議員団政調会長に収まっている。97年入省の同期ネットワークが健在な様で、或る職員は「同期は何かとアドバイスを求められる等、今でも交流が有る様だ。役所にも頻繁に照会の電話が掛かってくる」と述べる。厚労省幹部は「参政党も衆参で一定の影響力を持っており、軽視は出来ない」とする。

 医系技官出身で日本維新の会の阿部圭史氏は、衆院で当選2回乍らも、自民と維新の社保協議で実務者を務める等、与党の政策立案に関わるポジションに就く。連立政権合意書の作成に維新側議員として関わり、社会保障や安全保障の項目の書き振りに力を入れた。

 阿部氏は13年に入省し、海外留学、WHO(世界保健機関)勤務と慌ただしいキャリアを送った。阿部氏を知る人物は「元々国会議員になるのが目的で上昇志向が強いタイプ。官僚になったのも、国会議員になる事を視野に入れていた様だ。自民から出たかった筈だが、維新から出たのも、恐らくバッジを付け易かった事情が影響しているのでは」との見方を示す。

 今回の衆院選には関連しないが、公明党参院議員の里見隆治氏も元労働官僚だ。24年間勤務し、課長級の参事官ポスト迄経験した。或る労働官僚は「卒なく仕事をこなしていたので、官房系で偉くなる道はあった筈だ」と振り返る。既に何度も当選を重ねている自民党の高階恵美子衆院議員や公明党の秋野公造参院議員も、技官として勤務経験が有る。

 厚労行政は、専門性が高く複雑な割に、ステークホルダーが多岐に亘る難しい分野だ。厚労省を熟知した元官僚議員は、厚労省の「良き理解者」になるのか、それとも——。

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