
「オンライン診療の導入を」
「守られる産業は潰れる」
今日12月10日の日本経済新聞に【オンライン診療、恒久化骨抜き 初診「掛かりつけ医」調整】の記事があった。菅総理の肝いりの案件だが、日本医師会の反対の声が厚い壁となって立ちはだかる。ITやAIの世の中。本来であれば積極的に取り入れるべき医療界が時代遅れな保護政策を国に求める姿は残念だ。今日に記事に元厚労省医政局幹部は「もっと医療を解放するべきで、もっと医療は独立するべきだ。後輩に申し訳ないが、こんな事をやっているとかつての農協の米価の二の舞になる。国に守られる産業は潰れる」と厳しいコメントをする。オンライン診療は時代の趨勢だ。
今日の記事の中で出ていたオンライン診療の窓口は掛かり付け医に限るとの内容だが、そもそも日本には掛かり付け医制度はない。
良く引き合いに出される英国の「掛かり付け医制度」は制度となっている。英国では国民全員が掛かり付け医(ホームドクタート言う)を持つ。どんな患者であろうと先ずは自身のホームドクターに予約を入れる。ホームドクターを通す仕組みだ。日本のように自由に自分で行く病院を決める事は出来ない。英国のホームドクター制度には長い歴史が関係する。その昔、英国は七つの海を征服したが、そこに起因する。英国のエリート官僚は統治した国々に赴任し政治を司り、上流階級出身者や貿易商らは英国に富を運ぶために赴任をした。英国を長く離れた彼らが安心して働けるようにと「パブリックスクール」が出来た。そして全寮制とし教師と生徒は24時間時間を共有し、国が責任を持って教育を担当した。その延長線上に生まれたのがホームドクター制度だ。全寮制には校医も寝泊まりをしていたと言う。一人一人の生徒の健康管理を担う校医の役割がやがては「ホームドクター」の制度に発展し、今日もその制度が綿々と続く。ホームドクターの責任は重く、数年に一度の資格試験があり最新の医療知識が必要になる。彼らは積極的にITによる遠隔医療を取り入れ患者満足度を高める努力を怠らない。そんな事から英国には医療格差医は存在しないことになっている。
翻って日本では自由アクセスのために過疎地と大都市の医療の質の格差が問題になっている。大都市では高度な医療を日々受ける事が出来るが過疎地では医療を受けるだけでも大変だ。医療の質の格差は今後の日本の課題だ。コロナ禍でテレワークが一気に進む。地方に移住を検討するビジネスマンも多くいる。企業としてもテレワーク導入による売上減が想像以上に少ない事から、恒久的なテレワーク導入を進める。益々、地方移住者は増加する。
しかしながら、大都市の医療を知る人が移住を躊躇する理由は移住先の医療の質だ。この問題は各地方都市の首長にも重要な案件だ。医療も変わらなければならない。厚労省は1997年に患者満足度の言葉を生み出し、医師目線の医療から患者ファーストの医療に変わらなければならないと医療機関へ通達を繰り返した。これは秀逸だった。今、再び変わらなければならない。ITやAIを取り入れた医療の提供を積極的に進め、患者満足度を高める医療を積極的に提供するべきだ。遠隔医療・オンライン診療は間違いなく患者のためになる。時代遅れの日本医師会と言われないためにもITやAI取り入れた「オンライン診療・遠隔診療」を進めるべきだ。
(2020年12 月10日)
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