
「大学医学部の2023年問題」
「国際基準と言う名の黒船襲来」
全ての分野が国際化の名の下で改革されていく。
弊社には海外の大学や研究所、調査機関等から実に多くの調査依頼が届く。その質問の多くは日本に対する理解力不足と日本の発信力不足から生じていると感じている。
今の日本も海外から見るとやはり「FAR EAST」のままだ。かつてはソニー・ホンダ・クロサワの名前が世界中に轟き、日本通がエリートの条件の一つとなっていた時代もあったが、残念ながらそれも昔の話だ。最近では安倍前首相と村上春樹と佐藤琢磨の名前くらいか。
日本は極端に言えばずっと国際社会から距離を置き、日本式が最高だと信じていた。これでやって来れた日本は素晴らしいと思うが、やはり地球は小さくなり地球規模での交流がより強く求められてきた。日本はそれでも鎖国的政策を続けていた。しかしながら国際化の波は押し寄せた。その一つ。ブッシュ大統領の横暴とも言える圧力で生じた郵政民営化だ。350兆を超える郵貯資金がずっと欲しかったブッシュ。しかし、郵政公社の資金運用は原則、国債のみに制限されていた。これを撤廃するためには郵政民営化が必要だった。ブッシュは日本政府に圧力を掛け続けた。小泉首相は国政選挙で「郵政民営化に反対する議員は抵抗勢力だ」と犯罪者の如くの扱いをし、郵政民営化を実行した。その勢いで米国のアフラック保険を日本の市場に参入させ、「ガン保険」を独占的に販売させた。おまけに日本の保険会社が「ガン保険」を販売する事を5年間禁止された。アフラック保険が一人勝ちする理由はここにある。これが逆であれば米国は間違いなく「アンフェア」だと叫ぶ話だ。国際化の失敗例だ。
その後の大きな国際化と言えば「国際会計基準」の導入だろう。日本はそれまで「日本会計基準」だったが、海外の投資家やファンドが日本の企業の財務内容が理解出来ないと言う要請を受け国際会計基準を導入した。これにより海外からの大きな資金が入ると言うメリットがあった。これは国際化の成功例だ。
今、「医学部2023年問題」が間近に迫って来た。2010年、米国医師国家試験受験資格審査から今のままの教育カリキュラムでは日本の医学部を卒業しても米国の医師国家試験の受験資格が取れないと通告を受けた。彼らは「医学のグローバル化により国際的に通用する医師養成制度の確立」が趣旨と言う。米国はこれまで日本の医学部卒業生にも受験資格を提供して来たし、日本の医師にも門戸を開いて来た。彼らに取材をすると一般論と前置きをして「米国の医学部卒の合格率は90%を超えるが、海外からの受験生の合格率は50%を下回っている。同時に、語学力に問題があり、米国圏で医療を行うには無理がある」と話す。取材の中で、日本も米国の医師の資格は認めていないので同じだとの指摘もされた。鎖国を続ける日本に対する意趣返しとは思わないが、日本がその制度を続けるなら米国も日本の医学部を閉め出すぞと聞こえた。これが国際化の言葉の意味なのかも知れない。国際化の意味は米国に都合の良いルールに合わせろと同意語だ。実に癪な話だが、医学部開設以来の改革が求められている。
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