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未来の会

帰化した元外国人及び定住外国人の参政権を問う

帰化した元外国人及び定住外国人の参政権を問う
元外国人の参政権付与にではなく帰化条件に問題多く

既に日本に帰化した元外国人の参政権について取り沙汰される事がしばしば見受けられる。帰化した元外国人の参政権について是非を説くよりもむしろ、外国人が帰化する条件に対する問題が多いのではないだろうか。

 外国人の帰化条件は、①居住条件として引き続き日本に5年以上居住する事。②能力条件として18歳以上で本国法によって行為能力を有する事③素行条件として素行が善良である事。④生計条件として自分ないしは配偶者や親族の資産や技能によって生計を営む事が出来る事。⑤国籍条件として国籍を有しないか、日本国籍によってその国籍を失うべき事。⑥思想条件として日本国憲法施行の日以後において、日本国憲法又はその下に成立した政府を暴力で破壊する事を企て、若しくは主張し、又はこれを企て、若しくは主張する政党その他の団体を結成し、若しくはこれに加入した事が無い事。以上の6条件である。これらの条件を満たすには、5年以上日本に住んで、18歳以上で読み書きが出来、納税を行い、犯罪歴が無く、収入が有り、元の国籍を放棄する予定で、国体の転覆や破壊行為等を危惧される団体に属していなければほぼ帰化が認められている。令和2年の帰化の許可数は9079件で、不許可数は900件になっている。90%以上が帰化を許可されている。つまり、虚偽や条件不十分など余程の事が無い限り帰化出来る、日本人になれるという事である。本当にこれで良いのだろうか。

 思想条件は個々の心情でも有るので真実は把握する事は困難だ。反社会的勢力とされる団体に所属した過去が無いか、暴力を肯定する組織に傾倒していないか等物理的に確認出来る事以外は審査のしようが無い。それにも拘らず、帰化条件の思想条件は国体維持にも影響する大きな要素である。一番曖昧な要素が一番重要な要素でもある。そして、一番把握する事が難しい要素なのだ。

 この問題を解消する方法は容易には見当たらない。そこで帰化条件は現状のままに維持した上で、生まれながらの日本人と帰化した日本人との参政権の内容を区別したら良いのではないだろうか。帰化の審査では把握し切れない思想的要素に対しては一定の期間を設けて素行を監視し、その間は日本国民としての一部の権利を保留する様にするべきではないかと思料する。特に国政選挙の選挙権や被選挙権についてはそうする必要が有るのではないか。生まれながらの日本人も選挙権を得るには18年を擁する。被選挙権においては衆議院で25年、参議院では30年を必要とする。帰化して日本国籍を得た者に対しても選挙権は18年後、被選挙権は25年から30年間は留保しても当然ではなかろうか。時間が経ったからと言って思想条件に関して不安要素が解消されたとは言えない。しかし、帰化して即、日本人としての全ての権利が与えられるというのも問題があるのではないか。

 米国の帰化条件の中には、米国の歴史と政府についての正しい知識を身に付けている事が必要で、市民権試験というものが有り、それに合格する必要が有る。又、アメリカには徴兵制は無いが登録義務は有る。必要に応じて米軍や政府の為に兵役に従事する事を宣誓しなければならない。なにより、米国で帰化を認められる為には永住権を必要とするが、この永住権を取得する事も容易ではない。永住権を取得してアメリカにたとえ20年以上住んだとしても帰化を許可されて市民権を得る事は日本と比較して簡単ではない。多民族国家であるアメリカですら帰化に対しては慎重なのだ。凡そ単一国家の様な状態を維持して来た日本に於いてはより慎重で有るべきであろう。

帰化後、一定の権利留保期間を設けるべき

 私的な結論としては帰化の許可には段階を追って行うべきだと考える。第一段階の許可では準日本人として国政選挙の参政権や最高裁判所や法務省、外務省等一部の省庁の採用の不可など権利の一部を留保し、帰化の許可後18年が経過した後から日本人としての全ての権利を与えればよい。その18年の間に帰化申請の審査要件に抵触する事があれば許可を取り消せる様にするべきではないだろうか。

 また、日本においても米国と同様に永住権と市民権の違いを明確にし、永住者の受け入れを行いつつも、帰化によって国民の権を授与する事には国体の保持に関わる事であるから慎重であるべきなのは当然の事である。

定住外国人に参政権を付与して大丈夫なのか

さて、去る7月には参議院選挙が行われた。国政選挙が行われるとその都度に定住外国人に対する参政権付与に関して賛否が問われている。自民党、日本維新の会、NHK党は反対の立場である。公明党、れいわ新選組、共産党、社民党は賛成している。立憲民主党と国民民主党はこれからの検討課題として立場を明らかにしていない。

 帰化した外国人であっても安易に参政権を付与するべきではないと思料する以上、帰化していない定住外国人に参政権を与える事は容認出来ない。その理由としては憲法に反しているからである。日本国憲法第15条には「公務員を選定し、及びこれを罷免することは、国民固有の権利である」と明記されている。政治家は特別公務員であり、政治家を選定する事はあくまでも国民に与えられた固有の権利なのである。決して外国人に与えられてはいない。選挙権は成人の日本国民にだけ等しく与えられている。

 賛成の人がよく口にする「定住外国人も日本人と同様に税金を納めているのだから参政権を与えるべきだ」と言う主張もお門違いである。税金は警察や消防、医療や道路など公共サービスの原資に過ぎない。参政権と税金は結び付かない。税金を払っているから参政権を付与するというのなら、税金を払っていない高齢者や専業主婦や学生の参政権は剥奪されるという事になる。参政権を金で買うというのは100年近く前の発想で前時代的な思考である。参政権は自由民権運動を経て勝ち取った日本国民固有の権利なのだ。

 国政はまだしも地方参政権だけなら大丈夫なのではというのも間違いである。公安委員や教職員の任命は地方自治体が行っている。災害時に自衛隊を要請するのも知事の権限である。周辺有事に対して自衛隊が空港や港湾など公共施設を使うのにも知事の許可が必要になる。国民保護法における救援や避難も地方自治体の役割になっている。今や地方行政が国家の安全保障を左右する役割を担うに至っている。地方議会の選挙は国政と無関係とは言えない。むしろ、国益や安全保障にも関わっているのだから軽視出来る訳が無い。

 地方選挙の当選ラインは国政選挙の数万票とは違って僅か1000〜2000票、地方都市によっては数百票で当選出来てしまう。仮に有権者の1%だけでも外国人が占める事で大きな影響を及ぼす事が出来るのが地方選挙なのだ。地方議員の中には外国人の票を頼る者が出て来て然りである。地方議員の協力を得て国政選挙を戦う国会議員にとって地方議員の意見が政策に影響し兼ねない事になる。地方参政権を与える事はひいては国政を操る事に繋がる恐れを秘めているのである。

 日本人にとって国家とは運命を共同する存在に違いないが、外国人にとってはそれぞれの母国が存在し日本と運命を共にする事は無い。少なくとも帰化をしない定住外国人は外国人として生きて行く事を選択しているのである。「帰化はしたくないが参政権だけは得たい」というのは内政干渉が起きる危険性を孕んでいる。定住外国人は外国である日本ではなく、母国の選挙人名簿に登録すれば参政権を行使出来るのだから、それぞれの祖国に対して貢献する事を望むべきではないだろうか。

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