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病院経営者のための会員制情報紙/集中出版株式会社

未来の会

【「集中」の是々非々 36 】

【「集中」の是々非々 36 】

「コンサル会社にご用心」 

【理事長も知らぬ間に、病院が売り案件になっている話も】

弊社へ内部告発があった話です。1つ目は「コンサル会社を信用したために病院を売却する羽目になった」と言うもの。都内のこの医療法人は数年来、資金繰りが苦しい状況が続いていた。その数字を見ていたメインバンクら「今の状況では追加の融資も難しい。経営を立て直すための指南役が必要ではないか」とコンサル会社を紹介され、顧問契約をした。プロから受ける経営指南は見事であり、1年、2年が経過するうちに信頼感も生まれ、コンサル会社に資金調達の財務面から人材の獲得など多くの部分を任せるようになっていた。安心をしていた矢先、親から引き継いだ医療法人を売却する羽目になったとある。理事長が言うには、メインバンクから資金調達が出来ない中、コンサル会社の提案はファクタリングによる資金調達だった。紹介してくれたファクタリング会社による資金調達は一年ほど続いていたが、ある日、突然として、ファクタリングの契約の継続は出来ないと通告を受けたと言う。理事長にとっては青天の霹靂の通知だったが、コンサル会社はファクタリング会社の意向を知っていたのでは無いかと書かれている。結局、理事長は経営権を売却する事しか方法は無かった、今は、一医師として勤務しているとある。

コンサル会社の危険性は、弊誌「集中」でも繰り返し指摘している。2つ目は、以前に「集中」で記事にしたが、ある有名なコンサル会社の悪事。東京都江東区の社会福祉法人でも同様の話があった。年間売上70億円ながら理事長の公私混同・家族優先・私腹肥やし経営を続けていた事がマスコミに発覚。朝日新聞の一面で糾弾される事件があったが、このマスコミへの情報漏洩はこの社会福祉法人と契約していたコンサル会社からと言われた。その後、このコンサル会社が中心となり、別の医療法人へ売却した。社会福祉法人の場合、株式を対価とした譲渡は出来ないが、そこはプロのコンサル会社だ。抜け道には熟知している。

3つ目は東京港区の医療法人の話。理事長夫人の蓄財好きが講じての失敗談だ。この医療法人と契約する大手コンサル会社は、理事長夫人へ「タイにダミー会社を2社作り、医療法人の売上を流す」提案をした。数年後にはかなりの資金がプールされ、蓄財好きの夫人が大喜びをしていたそんな時、ダミー会社にタイの国税調査が入った。その通知に驚いたのは理事長や医療法人のメインバンクだ。実態を知ったメインバンクはこの理事長の行為に失望し、一気に医療法人から融資資金の回収を始めた。当然ながら資金繰りが瞬く間に悪化し、業者への支払が4ヶ月滞った後、ついには、大手コンサル会社の提案を受け、医療法人を売却する道を選んだ。この事件もタイの国税へのネタ元は大手コンサル会社と言われている。この医療法人は売却された。

ここに紹介した3つの事例。実名を出せないのが本当に残念だが、皆、有名大手のコンサル会社だ。コンサル会社の知識と経験と人脈は半端ではない。全てのコンサル会社に当てはまる話ではないが、病院幹部の方には是非とも注意をお願いしたい。医療法人が危機管理として取るべき方法は唯一、コンサル会社との契約は最長でも3年で切る事だ。どんなに素晴らしいと感じるコンサル会社であろうと延長はしない。これに尽きる。

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2025年9月10日
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