
【強引とも思える国際基準は誰が決めるのか?】
「エスタブリッシュメントの存在」
「世界のトヨタ」ですら、世界のエスタブリッシュメントの足下にも及ばない。彼等には「アンフェア」の言葉は存在しない。そして、時として彼等は実に不愉快な存在でもある。一例を挙げてみる。今年6月、100周年を迎えたル・マン24時間レースにはフェラーリ、キャデラック、ポルシェ、等が参戦。5連覇中のトヨタとの大激戦が期待された。しかし、レース10日前に突然、FIA国際自動車連盟が性能調整として車両最低重量の変更を発表した。早い車には重い重量を搭載するとした。トヨタには37㎏の重量増を課せられた。フェラーリは24㎏増、地元ポルシェはたったの3㎏増だ。まさに寝耳に水の出来事だった。当然ながらトヨタは猛烈に抗議したが、全く「聞く耳持たず」状態だった。ル・マン100周年の記念レースにはトヨタを勝たせない、実に、驚くほど露骨な決定を恥ずかし気もなく行った。これが「エスタブリッシュメント」の仕業だ。
ゴルフの世界でも「メートル」ではなく「ヤード」を使う。日本人にヤードは馴染まないが感覚で覚えるしかなかった。一時、メートル表記を使う時期もあったが、今では元のヤードを使用する。笑えるのが、グリーン上だ。日本人にヤードの距離感がないからメートルを使う。日本はゴルフで二つの表記を使う世界唯一の器用な国となった。これもゴルフ界のエスタブリッシュメントがヤードの使用を決めたまま譲らないからだ。1972年のミュンヘンオリンピックで日本男子バレーが金メダルを獲った。日本はレシーブ重視のチームで、ワンタッチ後、2回でスパイクまで行った。それまでのバレー強国にはない戦法で歴史を変えたが、その後、その戦法の強みであるブロックのワンタッチを、数に数えないと言う暴挙とも言えるルール変更をした。つまり、ワンタッチ後も3回、ボールタッチが出来る今のルールに変更となった。高さの無い日本バレーは、このルール変更で長く世界から沈んだ。その後、高さを誇る米国が国を上げてバレーに取り組み、世界のチャンピオンの地位に就いた。このルール変更もエスタブリッシュメントの仕業だ。日本の国技である柔道は両者が白の柔道着で闘う。この当たり前が、日本が大反対したにも関わらず、国際ルールで片方は青色を着用するよう変更された。今、柔道選手の登録数ではフランスが日本を抜き、世界一となってしまったが、国際柔道連盟本部はスイスではなく講道館に有って欲しい。冬のオリンピックでも荻原健司・次晴兄弟がノルディックスキー複合の競技で金メダルを獲ると日本人が得意なジャンプ競技の評価点数が下がり、ヨーロッパ選手が得意なクロスカントリーの点数が増えた。それ以降、日本選手の苦戦が続く。最近の例で言えばラグビーだ。これもエスタブリッシュメントの唯我独尊だ。残念ながら、10月8日のアルゼンチン戦に負けてしまったが、大健闘の日本チームは登録選手33名の内、外国出身選手は16人だ。代表資格の規定が広がり、サッカーにも無い国際ルールが誕生した。これはラグビー強国の選手がラグビー弱小国の代表になれるようにした我が儘なルールだ。大義名分はサッカーに遅れた人気をメジャーにする為と言う。以前、タレントの猫ひろし氏がカンボジアのマラソン選手になり話題となったが、まさにこれだ。日本が世界第2位の経済大国の時、日本の医学医療の評価はエスタブリッシュメントの中で高い評価を得ていたが、その評価が今でも続いていると信じたいが、2014年に「日本の医学部2023年問題」を突き付けて来た事はショックだった。日本の大学医学部卒では先進国の医師国家試験を受験する資格を有さないと言う屈辱的な通知だった。医学部の授業内容を国際基準に準じた内容に変更するよう求められた。お隣韓国はとうの昔に国際基準に沿った授業内容に変更をしていたからと言う。日本の「いずれ理解してくれる」という「沈黙は金」は国際基準には無い。日本がエスタブリッシュメントになれる事は無いが、日本の将来の為に、エスタブリッシュメントに近い立ち位置にいて欲しいと願う。
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