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外国人労働者頼りの日本、制度厳格化と人材確保を両立へ

外国人労働者頼りの日本、制度厳格化と人材確保を両立へ

深刻化する労働力不足と不法就労取締強化が産業界を打撃!

少子高齢化による生産人口の減少で労働者不足に悩む日本は、問題解決の切り札として外国人労働者の活用を積極的に行ってきた。だが、最近では就労ビザの厳格化等、政策面では抑制の方向にある。理由は制度を悪用する例が後を絶たない事だが、外国人労働者がいないと成り立たない産業も有る。今後一段と厳格化の動きが強まれば、日本経済に深刻な影響を与え兼ねない。

増え続ける外国人労働者、13年連続で過去最高更新

日本に於ける外国人労働者の問題は新しい話ではない。空前の好景気に沸いた1980年代後半のバブル経済期には、所謂3K(きつい、汚い、危険)の業種の人手不足を補う格好で外国人の就労が増えた。この時代でも問題になったのは不法就労。政府は単純労働者の受け入れを原則として認めていなかった為、観光目的の短期滞在ビザで入国して就労するケースが激増、社会問題化した。

供給が需要に追い付かない好景気、少子高齢化に伴う生産人口の減少——と、当時と背景は異なるものの、人手不足を補う為に外国人に頼る状況は今も昔も変わらない。

そうした中で、外国人労働者の数は、うなぎ登りという表現がぴったり当て嵌まる程の上昇となっている。厚生労働省によると、2025年10月末時点で257万1037人となり、07年の届出義務化以降、13年連続で過去最多を更新した。これは日本の就労人口の実に約4%に当たり、直近15年間で約5倍を記録した。

この間、受け入れそのものの是非や、長年認めて来なかった単純労働者の合法的な受け入れ可否が政策課題として浮上。欧米等の移民問題も影響し、我が国の外国人労働者活用は岐路を迎えた感が強くなっている。人手不足が深刻化して労働力を外国人に頼らざるを得ない半面、制度を悪用する例も多々ある等看過出来ない事象も目立ち、政策面において苦慮している状況だ。

不法就労を締め出す為にビザ取得と更新が難しく

日本国内で外国人が働く為には、就労ビザを取得しなければならない。現在、一般的な就労資格の他、深刻な人手不足を補う為、建設、介護、外食等全16分野を対象とした特定技能が近年注目されている。

又、日本の企業や団体で働きながら特定の技術や知識を学ぶ、技能実習生制度が有る。だが、実習とは名ばかりで、単純労働従事者として受け入れるケースが目立っている等、問題も多い。そこで同制度は27年より、「労働力不足の解消」と「人材育成」を両立させる「育成就労制度」に移行する事になった。

更に、起業や経営を促進する目的の経営管理ビザも、就労出来る在留資格の1つである。だがこちらは不正が相次いだ為、25年10月厳格化された事が話題になった。

現在、就労資格の大まかな比率は、技術・人文知識・国際業務、高度専門職等の一般的な就労資格が3割程度、技能実習が2割強。特定技能は、1割に満たないながらも急増している。

厳格な規定が有る就労ビザだが、不法就労が後を絶たない。それも、最近では人手不足が深刻化する中で農業や建設業で集団摘発される例もある。人材派遣会社による組織的な関与も摘発され、ブローカーを通じて不法就労者を働かせるといった悪質なケースも有るという。以前は、観光等の短期ビザで入国し、期限が切れた後にそのまま就労する個人が目立ったが、最近では裏社会の資金源になる様な組織犯罪も増えている様子だ。

その他、不法就労を誘発する要因として、低賃金や低劣な職場環境、人種差別的な扱い等がある。そうした扱いを受けた技能実習生が逃亡し、そのまま不法就労者になるケースが少なくない。

他方、経営管理ビザに関しては、本来の目的から外れて、日本に住み続ける為の偽装ビザとして悪用されるケースが急増し社会問題化した事で、規制が強化されたのは記憶に新しい。実態の無い名ばかりの会社を設立し、実際には単純労働に従事する例の他、高額医療を受診する為にダミーとして設立する例も目立った。

これらに対処する為、出入国在留管理庁は25年10月、制度を大幅に厳格化。資本金要件について500万円以上から3000万円以上と諸外国並みの水準への引き上げや、日本居住の常勤職員を1名以上雇う事を必須にして、悪用を防ごうとしたのである。

政策が厳格化する中でキャリアパス明確化の動きも

種統計によると、25年現在で、外国人の不法就労者は1万3000人を超す。そうした中で、厳格化されたのは経営管理ビザだけではない。例えば、就労ビザの取得については、制度の改正や運用の見直しによって実質的な厳格化が進んでいる。

中でも、25〜26年に掛けては特定の在留資格で大幅な要件変更や審査の強化が行われた。一般的な就労ビザに関しては、26年4月15日の指針改定で、審査が非常に厳しくなり、その内容も事業実態やコンプライアンス(法令遵守)が強く問われる様になったという。これについて、東京都で入管業務を行っている行政書士に話を聞くと「これ迄は書類に不備が有るかどうかに審査の力点が置かれていたが、最近では企業側の事業内容と申請者(外国人)の特性、資格、語学力等資質がマッチしているか、内容が厳しくチェックされる様になったと感じる」と語った。

不法就労は法的に許されるものではない。しかし、あまりにも厳格化し過ぎて就労者が減る様な事が有れば、産業界に少なくない影響が生じるのも確かだ。例えば、千葉県の成田空港周辺で大規模農業を営む地元の農業委員会で幹部を務める地区長は「ここらの朝は、当たり前の様に農道を外国人が自転車で行き来している。彼らがいないと農繁期はとてもたない」と話す。農業だけではない。身の回りを見ても、建設工事現場、コンビニエンスストアの店員等々、至る所で外国人労働者が働いている。介護施設や食品加工工場等も同様で、外国人労働者が実質的な基幹戦力となっている職場は今や珍しくないのだ。

適法就労者にも及ぶ厳格化の影響

一方、政治の世界では、保守系政党を中心に、日本の文化を守るという理由から排外主義的な政策を進めようとする動きが有る。保守色の強い高市早苗首相が就任した事も、不法就労の取り締まりを強化した事と無関係ではないだろう。今後政策面では、一段と就労ビザに関する政策当局の対応が厳しくなると想定される。

しかし、当然の事ながら、法を曲げて不正を働く外国人労働者ばかりではない。寧ろ、そうした数は統計を見ても圧倒的に少ないのである。にも拘らず、厳格化の煽りは法を守る外国人経営者や労働者にも容赦なく及んでいる。例えば、25年10月の資本金要件の改正によって、小規模な飲食店を営む外国人経営者ではビザを更新出来ないケースが続発。その為、閉店に追い込まれるケースが出ているという。確かに、最低要件が3000万とあっては、小規模の店舗では簡単に用意出来る金額ではないだろう。代表的なところでは、街中に散見されるインド料理店の少なからぬ数が、閉店の危機に瀕しているとも聞く。つまり、小規模経営という形態そのものが新基準から外れてしまったのである。

こうした状況を受け、現在のビザ所有者は28年10月迄の経過措置が取られる。その一方で、この流れは「理不尽な厳格化」として国会でも議論の対象になっている。

日本経済を維持・発展させる為には、今や外国人労働者は不可欠だ。寧ろ今後は、彼らを単なる労働力の穴埋めとしてではなく、共に社会を創るパートナーとして位置付けていくべきだろう。実際、技能実習を発展させた育成就労制度等、キャリアパスを明確にする動き等も活発化し始めた。不法就労や高額医療の受診に関する不正(フリーライド)は厳格に取り締まるべきだが、真面目に働く外国人労働者については見守り、共生する──このバランスが、政策面で求められそうだ。

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