
「NIPT(出生前遺伝学的検査)は知る権利の一つだ」
「患者の知る権利・女性の権利が論外に」
妊婦が自分の胎児の状態を知りたいと思ったとしても随分と高いハードルがあるのがNIPT検査だ。NIPTコンソーシアムと言う団体のホームページを見ると「NIPTを受診したいとする妊婦の方は日本医学会で認定を受けている医療機関において遺伝カウンセリングを受けた上で検査を受けるかを決めて下さい」とある。そして「妊婦が検査を正しく理解して、検査を受けることで不利益が被らないようにするためです」続く。しかしながらNIPT認定施設は全国でたったの92施設しかない。日本の医療機関数は病院・クリニック併せると約110,000件だ。その中のたった92施設でしか受診が出来ない。今の時代にどう考えても理解出来ない話だ。そんな事から受診率は5%以下と言う。
米国や英国に取材すると受診率は90%近いと言う。その理由として「女性の権利」「患者の知る権利」を挙げた。日本の受診率が5%以下だと伝えると信じられない話だ、医療後進国だと笑われた。
日本では医療を行う為には当然ながら医師免許が必要だ。私たちはこの医師免許を持つ医師に命を委ねる。弁護士や公認会計士、税理士などには仕事上の相談をして意見を拝聴する。しかし命を委ねる事はない。最も信頼出来る職業の医師が全国各地にいながら92施設でしか受診が出来ないと言う。一つも認定施設が無い都道府県も存在する。そんなに医師が信用ならないのか?そんなに妊婦に対するカウンセリングが難しいのか?妊婦の存在が軽視されている。1995年頃に厚生労働省は「患者満足度」と言う言葉を生み出した。そして全国の医療機関にこれからは「患者満足度」を上げる医療を提供するよう指示した。患者目線で医療を提供し、患者の求めに対し、可能な限りの高度な医療を提供するとした。当時、筆者は厚生労働省から依頼を受けてその啓蒙活動を行った。しかし「患者満足度」には功罪があった。患者が自分たちは医師と対等だと勘違いし、モンスターペイシェントを生み出す要因にもなった。今ある高度な医療を求めている患者へ提供する事は、応召義務に近く医師の務めだ。妊婦がNIPT検査を受けたいとなれば全国の医師一人一人がきちんとカウンセリングを行い、NIPT検査を提供するべきだ。倫理的な問題もすべて含め全ては妊婦の判断だ。NIPT検査を受けるだけでカウンセリングが必須だと言うNIPTコンソーシアムだが年間16万件を超える中絶を選んだ女性については考えが及んでいない。日本は義務と責任が曖昧な国だが、医療の世界では「義務と責任」を徹底させ、医師の義務と患者の責任を周知徹底して行くべきだ。
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