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未来の会

【「集中」の是々非々 26 】

【「集中」の是々非々 26  】

「海外メディアが配信する日本大学理事長逮捕の衝撃」 

【海外調査機関が感じている日本の大学への不信感】

以前、パリ大学教授が「日本国民が今でも一流国だと思っている理由は何か?」と質問を受けた事がある。その話を弊誌「集中」でも記事にしたと思うが、海外の目から見た日本と日本人が持っている日本には驚くほどに差がある事を知る。
3年ほど前、米国の調査会社が「日本のメディアランキングを140番目」と発表。これに自民党は噛みつき、調査会社代表を米国から自民党本部に呼んで、その理由を公表させた。その代表は「低いランキングを付けられた事に怒るのではなく、低いランキングとされた理由を理解して、その改善に向け努力する事が先決だ」と反論をしていたのが記憶に残っている。ランキングが低い理由の一つには「日本独特の記者クラブ制度」が指摘された。さすがの大手マスコミも沈黙したが、「海外から見た日本や海外からの評価」を我々はもっと知るべきだろう。それが国益・学校法人益・医療法人益・教授益・学生益の早道だ。
日本大学理事長の田中英寿容疑者が前理事の井ノ口忠男容疑者に続いて脱税で逮捕された事件でも、海外メディアンから山のような問合せが届いた。
逮捕の一報を海外メディアは速報として自国のデスクに送信しているが、この事件の前に、海外メディアは昨年の東京大学総長選挙や今春の京都大学総長選挙を取材して、不透明な選挙が行われたと送電している。この時、米国のあるメディアから「東大総長選挙を裏で画策したと言われている小宮山氏はあの著名な小宮山氏と同一人物なのか?」と確認の問い合わせがあった。あの有名人がなぜ画策するのか?その理由は?そして日本を代表する両大学のトップを決める選挙が不透明な選挙だと指摘され、文科省は調査をしないのか?この不透明さが見過ごされている事が衝撃だったようだ。
そして、今回の日本大学理事長の逮捕で報道されている数々の悪行。どれもこれも信じられない話だと言う。海外メディアは日本の教育機関は監督官庁の文科省が厳しい指導をしていると理解していたが、文科省の指導は形式的なものなのか?指導をしないように政治家が介入したのか?等、多数の質問が届いた。編集部として回答をした後に「今日の日本の官僚には政治家から忖度が求められている。また、空気を読めと良く言われる。空気を読めも忖度も、上長が部下に業務の指示や命令をしたいものの、指示や命令を出した事が発覚すると後々で問題となる可能性がある時に使う言葉だ。今の日本では、そんな忖度が蔓延している。これに多くの国民は怒っている。」と補足した。
海外メディアが日本の大学に興味を持つのは、海外の大学や研究所が日本の大学評価に注視しているからだ。国際教育評価基準などは世界の大学ランキングを公表しているが、日本の大学の評価が不十分のままであり、絶えず調査を続けている。日本の医学部2023年問題(COVID-19で1年延期され2024年問題となっている)だけでなく、世界が日本の教育を見放す前に改善策をしっかり作り、文科省が海外へ素早く公表する事が求められている。海外との門戸が閉ざされると被害を受けるのは高齢者ではなく若者だ。

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2025年9月10日
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