
顧問先からも「これはパワハラだ。ヤバイ!」の声
企業の顧問弁護士の使命とは何か。企業を不要な紛争から守り、問題が起きれば損害を最小限に抑える事だ。ところが、その助言で対立が生まれ、紛争が拡大し、弁護士自身の仕事と報酬が増えるのであれば、本末転倒と言わざるを得ない。
都内の或る広告代理店は長年、某大手飲料メーカーと良好な取引を続けてきた。しかし、大手法律事務所のオーナー弁護士が関与した後、広告取引を打ち切られ、同社が運営する文化施設の使用まで拒まれたと言う。ここ迄関係を遮断する必要が有ったのか。トラブルを予見しながら、敢えて対立を拡大させたとの疑念さえ浮かぶ。
これを契機に、広告代理店は、同社を巡って寄せられていた情報の取材と事実確認を始めた。その過程で、長年表面化しなかった重大な問題を裏付ける証言や資料が集まりつつあると言う。事実であれば、同社の信用を根底から揺るがし、多額の損害を招き兼ねない。
同社は、日本を代表するスポーツ・文化支援企業で、競技団体の会長も輩出して来た。信用失墜の影響は、売り上げや企業価値に留まらず、社員、取引先、選手、競技団体、ファンに迄及ぶ。顧問弁護士には、対立の深刻化が企業と関係者に及ぼす甚大な影響まで見通す責任が有る。
問われるオーナー弁護士の職業倫理
同弁護士についても調査を進めると、様々な情報が集まってきた。渋谷区に本社を置く企業で監査役を務めていた際、財務担当役員に「こんな決算書は認めない!」と怒鳴ってテーブルを叩き、取締役会の途中で「監査役を辞める」と言い残して退席したとされる。決算内容を厳しく確認する事は当然だ。しかし、相手を怒鳴り、会議を放棄したのであれば、正に常軌を逸している。出席者は唖然とし、退席後も暫く放心状態になったという。パワハラと受け止められても仕方がない。更に紀尾井町の医療系法人の代表者は、同弁護士から電話が有り、応答するなり「今月の報告は無いのか!」と怒鳴られたと言う。
1つの企業だけなら、偶発的な感情の衝突とも見られよう。しかし、複数の組織で同様の言動が繰り返されるなら、本人のパワハラ気質や職業倫理の問題として検証すべきだ。企業を守る為ではなく、行く先々で怒鳴り声と紛争を残す。「走るパワハラ弁護士」とのレッテルを貼られる前に、自らの言動を顧みるべきではないか。
この弁護士は、中国の「群話群弁護士事務所(仮名)」と提携関係に在るという。同事務所を知る中国人のベテラン弁護士は、「彼は日本では著名な弁護士だが、中国人弁護士も驚く程、倫理観が無い。お金を最優先する弁護士だ」と厳しく評す。同弁護士の仕事振りを知る法律家から、何故、これ程苛烈な言葉が出るのか。調査は続く。
同弁護士の助言を発端に、隠蔽されてきた案件が表面化すれば、某大手飲料メーカーに巨額の損害が生じ得る。その時、弁護士は損害賠償責任を負わないのか。弁護士も依頼者に善管注意義務を負い、違反して損害を生じさせれば、債務不履行や不法行為に基づく損害賠償請求の対象になり得る。弁護士だけが特別に守られている訳ではない。企業側も立場上、責任追及に踏み切れない場合が有るに過ぎない。重大な損害が生じれば、取締役会は弁護士の責任を検証する必要が有る。又、外部有識者による第三者調査委員会も設置出来る。それを怠れば、経営陣自身の責任が問われ兼ねない。前門の虎、後門の狼である。取材は既に核心へ近付いている。弁護士の肩書や事務所の規模で、事実が覆い隠される時代ではない。



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