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第104回 フェブリクは痛風と総死亡を増やす

第104回 フェブリクは痛風と総死亡を増やす

 無症候性の高尿酸血症に対する尿酸低下剤使用の妥当性を示す証拠はない。また、高尿酸血症・痛風の既往者に対して尿酸降下療法によって心血管疾患死亡、総死亡を低下させたとの証拠はない。

 尿酸降下剤のフェブキソスタット(商品名フェブリク)は、2011年に承認された比較的新しい薬剤である。アロプリノールよりも尿酸を下げる作用が強力との評価もあるが、承認申請時のアロプリノールとの比較試験で、フェブキソスタットの方が痛風発作を誘発しやすく、重篤なアレルギー反応(重症薬疹、肝障害など)、心血管系有害事象が多かったため、薬のチェックTIP(2015年)では「推奨しない」と判定した1)。

 2018年3月、アロプリノールを対照としたフェブキソスタットの心血管疾患予防効果を検討した2.7年間の大規模ランダム化比較試験(RCT)CARES試験が公表された2)。この報告について薬のチェックTIP3)で最近検討したので、概要を紹介する。

心血管死・総死亡が多い

 脳・心血管疾患の既往のある痛風患者6190人を対象に、フェブキソスタットとアロプリノールが比較された。主エンドポイントは、心血管死、非致死性心筋梗塞、非致死性脳卒中、不安定狭心症の再灌流のいずれかが認められるまでの複合エンドポイントである。主エンドポイントに差はなく、アロプリノールに対するフェブキソスタットの非劣性が証明されたが、心血管死のハザード比は1.34(95%CI:1.03-1.73、p=0.03)、総死亡のハザード比は1.22(95%CI:1.01-1.47、p=0.04)であった。

 つまり、アロプリノール群と比較しフェブキソスタット群で心血管死が34%多く、総死亡は22%多かったということである。総死亡のNNTH(Number Needed to Treat to Harm)は71であった。

 米国の非営利市民組織パブリック・シチズンは、心血管死と総死亡が増えるフェブキソスタットの承認取り消しを求めている。

中止・脱落が多い

 CARES試験では、フェブキソスタット群57.3%、アロプリノール群55.9%と、3年足らずで両群ともに、半数以上が試験完了前に服薬を中断していた。ただ、この傾向は、市販前の試験から認められており、市販前の試験では1年以内の脱落者が、アロプリノール(26%)よりもフェブキソスタット群(80mg群34%、120mg群39%)の方にずっと多かった。

日本でも害は同様だろう

 日本でフェブキソスタットは、1日10mgから開始し、通常1日40mg、最大60mg。CARES試験で用いられた用量はこれよりも多く、1日40mgから開始し、最大80mgであった。CARES試験対象者の体重(中央値97kg)は日本人試験対象者(平均64kg)よりも著しく重い。

 また、体重あたりの用量が同じでも、日本人は欧米人より血中濃度が約1.6倍に上昇する。日本人40mgは欧米人80mgよりも血中濃度は1.2倍になると推定される。日本でもCARES試験と同様の結果となると推察される。

実地臨床では

 心血管死や総死亡を増やすフェブキソスタットは、害があるだけであり、使用してはいけない。

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