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241 聖マリアンナ医科大学病院 (神奈川県川崎市)

241 聖マリアンナ医科大学病院 (神奈川県川崎市)

先端技術とアートの「愛ある医療」
聖マリアンナ医科大学病院 (神奈川県川崎市)

キリスト教的人類愛に根差した「生命の尊厳」を基調とし、人類愛に溢れた医療人の養成を掲げる聖マリアンナ医科大学の附属病院として1974年に開設された聖マリアンナ医科大学病院は現在、創立50周年記念事業の一環として再整備に取り組んでいる。2023年1月には新しい入院棟が完成、更に25年1月のオープンを目指して新外来棟・エントランス棟の工事が進められている。

病院ではキリスト教の精神に基づき、患者や家族への「癒やし」も重視している。

その内の1つ「キッズアートプロジェクト」では、NPO法人と共に、入院した子供達がアートの作成を通じて辛い治療を乗り越えられる様支援をしている。日本盲導犬協会や日本介助犬協会の協力で動物介在療法にも取り組み、現在は3代目のゴールデンレトリバーのハクが患者と日々触れ合っている。動物介在療法は、治療の補助療法として患者のQOL(生活の質)の向上や精神的な安定に効果が有るという。

ホスピタルアートは20年から看護部長でもある本舘教子副院長が中心になって進めて来た。似顔絵セラピストとして活動し、ホスピタルアートにも取り組んでいる村岡ケンイチ氏らの協力を得て、本館と別館を繋ぐ渡り廊下や食堂前の待合スペースに樹木や木の葉等を描き、治療や手術を受ける患者の不安が少しでも和らいで欲しいとの願いを込めた。

新たにオープンした入院棟でも積極的にホスピタルアートを取り入れている。「ホスピタリティ」の語源であるラテン語の「hospes(ホスぺス)」は、昔、巡礼中に病気や飢えで倒れた人を修道院で看護する事を指す言葉だった。このホスペスの精神をアートワークで表現したという。入院棟入り口には、開かれた病院の象徴として5枚の巨大モニターが目を引く「tsunagaru lounge」を設け、折々の自然など癒しの風景の他アーティストや患者自身等、病院と繋がる人々からのメッセージを映し出している。

5階の小児科の渡り廊下と3階の小児手術室には、病院が建つ丘から川が下り海へと続く様が、色鮮やかに物語の様に描かれた。一般の入院フロアにも「鳥のさえずり」「森のかけら」「自然の癒し」をテーマとした抽象画を数多く飾り、不安や辛さを抱える患者の心を慰めている。院内の調度品には、国内産木材の利用促進を進めている、地元・川崎市の取り組みに合わせ、岐阜県飛騨市産のナラ材のものを積極的に採用した。面会者と過ごすデイコーナーの椅子やカウンターは患者や家族からも好評で、病院に問い合わせも有る程だ。

リニューアルにより、病院は救命救急機能を強化すると共に、特定機能病院や災害医療拠点病院としての役割を果たす為、医療体制の充実を図った。手術室は14室から20室に増え、心筋梗塞や脳梗塞等の治療や手術と血管造影検査が同時に出来る「ハイブリッド手術室」、血管造影検査とCT検査を同じ部屋で行える「ハイブリッドER」も備えた。先端医療を取り入れながら、癒やしの医療との両輪で「愛ある医療」の実現を目指して行く。


241_聖マリアンナ医科大学

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