SHUCHU PUBLISHING

病院経営者のための会員制情報紙/集中出版株式会社

未来の会

【「集中」の是々非々 76」】

【「集中」の是々非々 76」】

「世界中が驚いた高市圧勝」

「これまでの政治にノーを突き付けた国民」

この記事(1,538文字)は100秒でお読み頂けます。

高市早苗氏が圧勝した。この結果に筆者だけでなく世界中が驚いている。パリ大学やケンブリッジ大学、オックスフォード大学の教授等から、選挙結果の総括を求めるメールが相次いで届いた。殆ど話題にも上がらない日本の政治が、瞬間的であろうと世界を賑わしている事は、率直に評価したい。この結果は単なる一選挙の勝敗ではなく、これまでの政治に対する積もり積もった不満が表出した結果と見るべきだ。いま日本社会が何を求めているのか、物価高、終わりの見えない国際情勢、安全保障への不安――こうした状況下で、有権者が「決断できる指導者」を選んだ。その民意はまず率直に「是」としたい。

勝因は多岐にわたるが、5日にトランプ大統領が高市氏への支持を表明したことも、追い風になったと見るのが自然である。「台湾有事」に関して具体的な言及はなかったにも関わらず、このタイミングでの「米大統領として完全且つ全面的に支持する」という言葉は、それだけで候補者に国際的な存在感を与えた。指導者同士が共鳴しているかのような印象は、有権者に安心感すらもたらしたはずだ。この現実もまた「是」であろう。

一方、2月7日の某大手新聞社は社説で国際法の内政不干渉原則を持ち出し、外国政治家の発言に警戒感を示した。主権国家の選挙は外部の影響を受けるべきではない――この理屈自体は正論であり、「是」である。

しかしながら、「この乱世に?」との違和感を覚えるのは筆者だけではないはずだ。国際社会とは本来、様々なパワーが交錯する現実の舞台である。各国首脳が他国の政治に期待や評価、非難を語ることは、もはや日常と化した。理念だけを掲げ、あたかも異例の事態であるかのように論じるなら、それは現実政治の力学を見誤ることになりかねない。この点は「非」と言わざるを得まい。

大事なのは、最終的に票を投じたのは日本の有権者だという事だ。外からの声が風となったとしても、山を動かしたのは民意に他ならないからだ。しかし、ここから先こそ難しいかじ取りが始まる。圧勝とは期待の裏返しでもある。強い指導力を望んだ国民は、同時に成果を求める。もし応えられなければ、支持は瞬時に失望へと転じる。政治の評価はいつの時代も結果で決まるもの。一方、選んだ有権者の責務は、彼らの仕事を注視し続ける事だ。

今回の選挙が示したのは、日本政治がもはや内向きだけでは立ち行かないという現実だ。国際社会と向き合いながら、主体性をいかに保つのか。その均衡こそが、今日の指導者に問われる資質であろう。まさに小泉旋風が吹き荒れた時代を彷彿させる。「自民党をぶっ壊せ!」と言い切れたのは、小泉純一郎氏が政治家仲間と群れることをしなかったからだ。よって、自民党内の既得権や大物政治家に忖度する必要がなかった。嘗て、参議院のドンと言われた青木幹雄氏に小泉評を尋ねた事がある。その答えは実に示唆的だった。「小学校の頃に誰からも嫌われる奴がいただろう。それが小泉だ。」 勿論、高市氏の人物論は小泉氏と異なるが、今、再び、既存の力学に忖度しない姿勢を示した強い高市氏を国民は支持した。

なお、弊社が主催する「日本の医療の未来を考える会」には、党派や立場を超えて複数の国会議員が参画している。彼らの役割は重要であり、この勉強会で議論された内容を国会議員として政策に落とし込む役割を担って頂いている。そのメンバー全員が、今回の選挙で有権者の信任を得て国政の場に立つ。医療政策は理念だけで前進するものではない。現場を知る者、制度を動かす者、そして未来を構想する者が同じテーブルに着くことにこそ意味があると考える。政治は時に対立を生む。だが、医療に必要なのは対立ではなく方向性だ。医療の未来を考える事は言葉ほど容易ではない。それでも、子や孫の世代により良い医療を残すためにも継続的な議論の場が必要と考える。今年7月には100回を迎える。民意は「是」。理念だけの空論は「非」。政治の真価は実行によってのみ証明されるーーこれもまた「是」だ。

 皆様からの情報をお待ちしております。>>>  info@zezehihi.shuchu.jp


【「集中」の是々非々 01】「大日本印刷北島社長の引責辞任」
【「集中」の是々非々 02】「悪辣な看護師派遣ビジネスで重い医療法人の財務負担」
【「集中」の是々非々 03】「日大田中理事長体制を守ってきた責任は文部科学省にある!」
【「集中」の是々非々 04】「東京にタクシーがいない・東京オリンピックにむけて大丈夫?」
【「集中」の是々非々 05】「大日本印刷北島社長の引責辞任(2)」
【「集中」の是々非々 06】「企業検診の義務化と予防医学を目指す」
【「集中」の是々非々 07】 「新型コロナウイルス対策」
【「集中」の是々非々 08】NIPT(出生前遺伝学的検査)は知る権利の一つだ」
【「集中」の是々非々 09】「地に落ちた権威・WHO」
【「集中」の是々非々 10】「世界が疑う日本発の情報」
【「集中」の是々非々 11】「新総裁候補に期待すること」
【「集中」の是々非々 12】「ファンド資金が医療法人に流入」
【「集中」の是々非々 13】「替わらない厚労省と変われない医師」
【「集中」の是々非々 14】「オンライン診療の導入を」
【「集中」の是々非々 15】「日本初の医療格付がスタート」
【「集中」の是々非々 16】「日本薬剤師連盟が頭を抱える松本純議員の行状」
【「集中」の是々非々 17】「米国医師はカルテと処方箋の記載に全精力を傾ける」
【「集中」の是々非々 18】「米国史上で最悪の医薬事件の顛末」
【「集中」の是々非々 19】「新型コロナ感染拡大の中で見る国家力」
【「集中」の是々非々 20】「尾身発言は立派の一語」
【「集中」の是々非々 21】「大学医学部の2023年問題」
【「集中」の是々非々 22】「日本の大学総長選挙が海外で注目に」
【「集中」の是々非々 23】「研究費を自ら集めまくる海外一流大学」
【「集中」の是々非々 24】「病院は不正企業の稼ぎ場なのか」
【「集中」の是々非々 25】「オリンパスの漏洩事件が医療期間へ波及する?」
【「集中」の是々非々 26】「海外メディアが配信する日本大学理事長逮捕の衝撃」
【「集中」の是々非々 27】「コロナ幽霊病棟補助金の話題が拡散中」
【「集中」の是々非々 28】「小野薬品オプジーボ訴訟から見えた日本の現状」
【「集中」の是々非々 29】「当事者になって見えたもの」
【「集中」の是々非々 30】「ジェンダー平等は時代の趨勢」
【「集中」の是々非々 31】「医療ツーリズムは国際間競争に発展」
【「集中」の是々非々 32】「岸田首相の考える健康危機管理庁(仮称)構想」
【「集中」の是々非々 33】「米連邦最高裁判所で中絶NOの判決」
【「集中」の是々非々 34】「東京電力13兆円賠償判決は医療賠償に影響」
【「集中」の是々非々 35】「東京工業大学と日本医科歯科大学の統合協議開始」
【「集中」の是々非々 36】「コンサル会社にご用心」
【「集中」の是々非々 37】「上辺だけのサービスにはご用心」
【「集中」の是々非々 38】「内部告発には迅速な対応が必要」
【「集中」の是々非々 39】「世界は混沌」
【「集中」の是々非々 40】「1000億円の損害賠償」
【「集中」の是々非々 41】「マスコミにはご用心」
【「集中」の是々非々 42】「日本の国際社会から乖離の一例」
【「集中」の是々非々 43】「日本M&Aセンターの凄み」
【「集中」の是々非々 44】「海外金融機関から期待されている集中格付」
【「集中」の是々非々 45】「有機トリチウムは恐ろしい物質」
【「集中」の是々非々 46】「海外のスパイが跋扈するお気楽な日本」
【「集中」の是々非々 47】「過疎化と高齢化がもたらす病院経営の変化」
【「集中」の是々非々 48】「強引とも思える国際基準は誰が決めるのか?」
【「集中」の是々非々 49】「新たなアインファーマシーズ事件」
【「集中」の是々非々 50】「海外臓器移植斡旋に実刑判決」
【「集中」の是々非々 51】「世界もグリニッジが標準」
【「集中」の是々非々 52】「日本の臓器移植のお寒い現状」
【「集中」の是々非々 53】「身元保証が無ければ生きていけない社会が到来」
【「集中」の是々非々 54】「日本の医療制度は世界一、秀逸」
【「集中」の是々非々 55】「製薬会社が国民から袋叩き状態に!」
【「集中」の是々非々 56】「地方の医師不足を解消するために新制度?」
【「集中」の是々非々 57】「美容医療トラブル急増」の大きなタイトル記事」
【「集中」の是々非々 58】「医師の報酬を欧米並みに高額にするべし」
【「集中」の是々非々 59】「医療現場を脅かすモンスターペイシェントの存在」
【「集中」の是々非々 60】「医師の偏在問題と僻地医療の新たなアプローチ」
【「集中」の是々非々 61】「患者代表を中医協に加える事の意義と必要性」
【「集中」の是々非々 62】「日本の女性が世界の女性と同じ権利を有する事の難しさ」
【「集中」の是々非々 63】「日本の英語力92位に転落」の記事に驚愕
【「集中」の是々非々 64】「東京女子医科大学とフジテレビに見る危機管理の欠如」
【「集中」の是々非々 65】「日本の医療の信用失墜を心配する内閣府」
【「集中」の是々非々 66】フジテレビ「調査報告書」の中立性は保たれているのか?」
【「集中」の是々非々 67】「都合の良い人間関係」が人生を壊す
【「集中」の是々非々 68】「取り残される国、日本」
【「集中」の是々非々 69】「英国最大の失敗、BREXITから学ぶ」
【「集中」の是々非々 70】「お一人さま問題が社会に与える損失は膨大」
【「集中」の是々非々 71】「画期的な手法で医療費削減を」

Return Top