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未来の会

看護師・薬剤師の視点から「医師の業務軽減」を考える

看護師・薬剤師の視点から「医師の業務軽減」を考える
診療看護師の法制化、薬剤師の関与拡大も

一般社団法人医療法務研究協会は10月3日、「医師の働き方——タスクシフティングの在り方」をテーマに、都内でセミナーを開いた。看護師や薬剤師の視点から、医師から他職種へのタスクシフティング(業務移管)についての提言があった。

 最初に、一般社団法人日本NP教育大学院協議会会長の草間朋子・東京医療保健大学名誉教授が「診療看護師(NP)に対する理解と認知を」をテーマに登壇。NPについて「プライマリケア(初期医療)を自律的(自らの判断と責任で)に実践出来る看護職」と定義し、医師の指示を受けて「診療の補助」行為を行う特定看護師とは違う点を説明した。

 その上で、医師は患者の疾病をコントロールする「疾病マネジメント」を行うのに対し、NPは患者の症状をコントロールする「症状マネジメント」を行うという役割の違いに言及。

 NPを採用している医療機関の評価として▽医師が手術等により不在の場合、診療を滞りなく進める事が出来、医師の時間外労働が短縮した▽NPが代行入力や文書作成等を行う事で、医師が医師でなければ出来ない業務に専念する事が可能になった▽救命救急センターではNPが2次救急に対応する事により、医師は3次救急に専念出来るようになった等の声を紹介した。

 アメリカ、ニュージーランド、オランダ等もNPを資格化。国によって異なるが、診断や薬剤処方、死亡診断書の作成、開業権等の権限を持つ。 

 最後に草間氏はNP資格の法制化を求め、保健師助産師看護師法(保助看法)の改正等により、NPの身分や業務を明確化する事を訴えた。

 次に登壇した日本薬剤師会理事で丸昌薬局薬剤師の堀越博一氏は「医薬品医療機器等法改正とこれからの薬局薬剤師業務」をテーマに講演。2019年の薬機法改正により継続的な服薬指導が必要になる等、薬剤師の業務が「対物」から「対人」に移行している状況等を紹介した。

 その後開かれたシンポジウムで堀越氏は、医療機関で薬剤師外来が増えてきており、医薬品の投与量や代替医薬品の選択・提案、副作用のモニタリング等、薬が関係するところに薬剤師が関わっていく事で、医師の診療業務量を軽減出来るとの考えを示した。

 また、新型コロナウイルスの感染防止に関連して、ワクチン開発に対しても創薬時から薬剤師が関与したり、アメリカのように薬局でPCR検査を実施出来るようになったりすれば、医師の業務軽減に貢献出来る裾野が広がるのではと述べた。

 会場の参加者からは「薬剤師には処方箋情報しかない。診療情報も共有出来なければチーム医療の一員として対応出来ない」との指摘があった。

 これに対して堀越氏は▽メーカーごとにフォーマットが異なる電子カルテの標準化▽マイナポータル等により患者が自らの病気に関する情報を持つ事で、医療人の間でも患者情報を共有出来るとの考えを示した。

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