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北里大学メディカルセンター(埼玉県北本市)

北里大学メディカルセンター(埼玉県北本市)
198 北里大学メディカルセンター(埼玉県北本市)
地域医療支える「絵と緑のある病院」

北里研究所が創立75周年を迎えた1989年に開院した北里大学メディカルセンター(当時の名称は北里研究所メディカルセンター病院。2013年に現在の名称に変更)。JR高崎線北本駅から車で約10分、北本自然観察公園に隣接した緑豊かな病院である。

 当時の同研究所副所長で、2015年にノーベル生理学・医学賞を受賞した大村智・同大特別栄誉教授が研究成果で得た特許料を投入して事業を推進した。現在、病床数は372床、標榜科は27科、医師数は約80人で総勢約800人の医療スタッフが従事している。

 同院は地域医療支援病院、災害拠点病院、臨床研修・臨床修練病院で、「共同利用登録医制度」を導入して埼玉県央地区の2次医療圏(4市・1町で人口計約53万人)の医療機関に院内の施設や設備を開放している。同研究所の設立者である北里柴三郎博士の「実学の精神」に基づき、同院は「他の医療施設等との連携」「次世代を担う医療従事者の育成」「患者の目線に立った療養環境の整備」等を基本方針に掲げる。その方針の下、病診連携により、地域の医療機関から同院への紹介率は約90%、同院から地域の医療機関への逆紹介率は約80%に上る。診療以外でも地域の医師会が開催する研究発表会への参加や、診療科ごとの症例検討会等を通して、地域の医療機関と積極的に情報の共有を行っている。

 15年からは同大学医学部(神奈川県相模原市)の教育病院として位置付けられ、卒前・卒後連携教育や専門医制度に対応した診療技術の向上等に注力している他、看護師や薬剤師、放射線技師等ほぼ全ての職種に卒前実習を実施している。

 大村氏の「芸術は自然と一体となり人間を健全に導く」というコンセプトを重視し、院内各所に大村氏の収集作品を中心にヒーリングアートを展開している。さらに開院以来、市民講座を定期的に開催している。また、坂東由紀病院長の発案で、14年から日本盲導犬協会の協力を得て「動物介在療法」を導入。主に認知症や脳出血等の神経性疾患でリハビリ中の患者を対象に、犬が病室を訪問、作業療法の手伝い等を行っており、述べ1000人以上に動物介在療法を提供。坂東病院長は「患者様の治癒能力を引き出す効果がある。エビデンスを蓄積していきたい」と話す。
北里大学メディカルセンター

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