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未来の会

虎の門病院(東京都港区)

虎の門病院(東京都港区)
197 虎の門病院(東京都港区)
災害対策重視の新生病院

虎ノ門ヒルズ森タワーが2014年にオープンするなど、複数の大型再開発が進む東京・虎ノ門エリア。都市再生機構の虎ノ門二丁目地区市街地再開発事業の一環として虎の門病院は旧病院に隣接する国立印刷局工場跡地に移転、新病院を2019年5月に開院した。東京五輪を前に開業する日比谷線「虎ノ門ヒルズ駅」とは、歩行者デッキで繋がる。

 新病院は地上19階・地下3階建てになった。延べ床面積は約10, 700㎡で、敷地面積は旧病院の約1. 4倍の約85, 500㎡に広がった。病床数は旧病院の868床から819床にダウンサイジングした分、個室は33室から216室と大幅に増加した。2人室から7人室だった多床室は4人室に統一した。

 また、集中治療室(ICU)は旧病院の14床から20床、手術室は14室から20室に拡大した。手術用ロボットと自走式CTを各1台導入したり、4台のCTは80列3台と320列1台、放射線治療装置は最新のトモセラピーを導入したりして機器は高機能化した。また、病棟や特別室に入る際はセキュリティカードが必要で、安心・安全性を強化した。

 虎の門病院は臨床・教育・研究・予防の4つの柱を掲げている。臨床では、分院(川崎市)、横浜第2合同庁舎診療所、さいたま診療所を展開。教育では、JCMT(Japanese Council for Medical Training)という事業を通じて途上国の医師の研修を行ったり、同病院の運営主体である国家公務員共済組合連合会の事業として医療手技の練習指導などを院内のシミュレーション・ラボセンターで行っている。研究では、同連合会の中央図書室や冲中重雄・2代目院長の名を冠した冲中記念成人病研究所を院内に置いている。予防では、人間ドックの健康管理センターと画像診断センターを隣接するビル(赤坂インターシティAIR)に設けている。

 災害時の対応も重視しており、1階のエントランス、講堂、シミュレーション・ラボセンター、救急部が一体となって、災害時の救急医療に対応出来るようになっている。また、大使館が多数ある港区は外国人も多く住んでいることから、国際化対応も整備し、英語・中国語の通訳を国際室に配置。大内尉義院長は「世界基準の医療機関認証機構であるJCIの認証を3月に取得する予定」と話す。

虎の門病院

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