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未確認情報 部下の横領で賠償? 病院元上司の〝涙目〟

未確認情報 部下の横領で賠償? 病院元上司の〝涙目〟
部下の横領で賠償? 病院元上司の〝涙目〟

 三重県南伊勢町の町立病院で昨年発覚した元職員による多額横領事件が、意外な展開を見せている。同病院の会計担当だった広出翔・被告(38)=業務上横領罪で公判中=によって横領されたとされる公金は、1億6000万円超。この被害を埋めようと、町は被告の元上司4人に計約5000万円の弁済を求めたのである。

 町は弁護士と公認会計士に依頼して外部監査を実施。昨年10月に公表した調査報告書によると、広出被告は前任の町上下水道課にいた2017年度から横領を始め、町立病院に異動後も続けた。その金額は5年間で1億6790万円に上り、応援するアイドルとのビデオ通話やプレゼント代、風俗店等に使われた。

 報告書はこれらの横領総額に遅延損害金を加え、そこから広出被告が弁済した分を差し引いた1億6850万円を賠償させるべしと認定した。問題は、賠償責任を負った人物だ。

 「広出被告が請求された1億1795万円を弁済するのは当然として、町は広出被告が横領を行っていた期間の上司だった元上下水道課長と病院の元事務長3人の計4人にも賠償責任を認定したのです」(地元記者)

 その金額は、最も多い元病院事務長で2926万円。広出被告が横領した金額が、この元病院事務長の在職中に9756万円と最も多額だった為だ。

 「横領金額に比例した金額を求められた4人だが、最も多額の請求を受けた元病院事務長の言い分は『自分が着任するより前から横領が行われていたのに……』。この元病院事務長は県庁を定年退職した後に病院の事務長に就任しており、叩き上げの職員でもない。会計に明るかったとは思えず、同情の余地は大きい」(同)

 元病院事務長は賠償命令の取り消しを求めて津地裁に提訴したが、町側も今のところ引くつもりは無い。とんでもない部下を持った上司の負った大きな負債。真面目に勤め上げた公務員生活の仕上げに贈られたのが賠償命令とは泣くに泣けない。

献血啓発グッズが転売され……日赤の〝裏目〟

 アイドルとの生電話やグッズ購入に横領した金を使いまくっていた元病院職員は論外だが、熱心なファンがその対象に注ぐ愛は凄まじい。そんな愛をボランティアの献血に繋げようと、日本赤十字社が企業と協力して作成した「記念品」が、フリマサイト等で大量に転売されている。多くは数百〜1000円程度だが、中には1万円を超える高額の物も。行き過ぎた転売は、自分の血液で金銭を得る〝売血〟行為と認定されても可笑しくない。歯止め策が必要だ。

 「少子高齢化で、手術等で輸血を必要とする人は増えるのに、献血に協力出来る69歳以下の世代は減って行く。危機感を強めた日赤側は、アニメや漫画のファンが多く集まる同人誌即売会『コミックマーケット(コミケ)』の会場に献血バスを置き協力を募る等、オタク層に向けた啓発を度々行って来た」(全国紙記者)

 昨年末のコミケに合わせた献血イベントでは、テレビアニメ化もされた人気ゲーム「アリス・ギア・アイギス」等のポスターを400ミリリットル献血の謝礼として配布。若者に献血に協力してもらう為、他にも人気アイドルグループやアニメ、漫画等とコラボして謝礼の記念品を作成して来た。コラボ品以外にも、規定回数以上献血に協力した場合に貰える記念品が有り、これらもフリマサイトやオークションに出品されている。

 正に自分の血液を差し出して得た品で金銭を得ている訳で、これでは禁止されている売血行為と変わらない。

 目下、厚生労働省や日赤は対応を検討中というが、記念品目当てで献血に協力してくれる人が居るのも事実だ。その記念品に需要が有り過ぎるのが問題で、転売はコラボ成功が裏目に出た結果でもある。

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