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未来の会

東京都済生会中央病院(東京都港区)

東京都済生会中央病院(東京都港区)
命救能を拡した新主
167東京済生会中央病院(東京都港区)

京都済生会中央病院は、2015年に開院100周年を迎えた。東京タワーにほど近い場所に立地し、全国に80ある済生会病院の中で2番目に歴史ある病院だが、施設の老朽化が激しいため、施設の建て替えを進めてきた。

 建て替え工事は3期に分かれ、第1期として05年に7階建ての北棟、第2期として08年に4階建ての外来棟がオープン。第3期は100周年記念事業として13階建ての新主棟が5月に稼働を始めた。

 新主棟では、港区内で唯一の救命救急センターとしての機能を拡充すべく、1階は初療室(初期診療を行う救急外来)のスペースを大きく取った。救急車で重症者が運び込まれた時も、簡単なオペが出来る処置室を3床に増やした。また、感染関係の患者を隔離する陰圧室を新設、すぐにCT検査が出来るようにCT室も初療室に配置した。脳梗塞患者などを対象に、造影がすぐに出来るよう血管造影室も初療室の隣にある。以前より導線が良くなった分、治療の効率も向上したという。

 初療が終わった患者は6階の救命救急病棟に移動するが、移動用ベッドにはたくさんの医療機器が取り付けられているケースも多いため、専用の大きなエレベータを新設した。途中の5階には手術室と総合集中治療室(GICU)がある。手術室は7室から12室に拡充。うち1室は、手術台に血管X線装置を組み合わせたハイブリッド手術室だ。

 1階の「患者支援センター」は、入院手続きを受け付けるだけでなく、入院前に服薬状況や既往歴、アレルギー情報などについて聞き、電子カルテに入力して治療の現場と情報共有化を図る。以前は、入院してから病棟で看護師が一から話を聞いていたので、かなり効率化された。

 その他のポイントとして、産科の再開、案内板の4カ国語表記(日本語、英語、中国語、韓国語)、職員向けアメニティ充実のため13階の職員食堂をグレードアップしたことなどが挙げられる。産科は医師の配置が出来ずに約10年間休止していたが、今回の建て替えを機会に社会のニーズに応えるべく復活したという。

 今後は旧主棟を解体し、跡地には18年春までに駐車場を整備、19年秋までに乳児院の建て替え工事も終える予定だ。同院は新主棟の稼働を機に、従来にも増して高度な急性期機能を発揮していく方針だ。

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