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尾身コロナ分科会長のインスタグラム 「可愛い」では済まない裏事情

尾身コロナ分科会長のインスタグラム 「可愛い」では済まない裏事情

尾身コロナ分科会長のインスタグラム
「可愛い」では済まない裏事情

好評のTシャツで笑顔を見せる尾身氏

 政府の新型コロナ対策分科会会長の尾身茂氏がインスタグラムのアカウントを開設した。「♯ねえねえ尾身さん」がプリントされたTシャツを着て笑顔の写真で登場。「若者の意見を吸い上げて政治に活かす」という。また尾身氏は、ワクチン2回目接種者や検査陰性者を対象に行動制限の緩和を進める「ワクチン・検査パッケージ」案を提言した。いずれも若者には概ね好評だが、この時期の緩和案公表の背景に、政府与党から総選挙対策のための好材料の提案を要望されたのでは、と見る向きもある。一方、理事長を務める地域医療機能推進機構(JCHO)傘下の公的病院で、新型コロナ患者用病床が30〜50%も使われていない事が報道された。医療界から「おいおい尾身さん」と批判の声が上がる。

 インスタは若者からは「可愛い」と好評で、イメージ戦略は奏功した。そんな尾身氏が提言したのが前述した「ワクチン・検査パッケージ」案だ。ワクチンの2回目接種者、PCR検査等の陰性者は感染リスクが低いとみなし、行動制限の緩和を進めるという。大人数での会食や宴会、県境を越える出張や旅行、大規模なイベントの参加等だ。実施する場合、緊急事態宣言が解除されている事が前提で、接種希望者にワクチンが行き渡る11月頃を想定している。実施に当たって尾身氏は、想定されるワクチン接種率についてA〜Cの3つのシナリオを想定。そのうちA(理想的な接種率)の条件が満たされれば行動制限を40%程度下げる事で、マスクをする事等を前提に元の生活に戻れるという。Aは60代以上の90%、40〜50代の80%、20〜30代の75%というもので、ハードルは高い。

 首都圏では新規感染者数は減少傾向にあるが、自宅療養者数や重症者数は高止まりしたまま、医療は逼迫しており、政府は緊急事態宣言を延長した。そのような状況に加え、これまでの経験から宣言解除後のリバウンドが予想されたり、2回接種してもブレークスルー感染する人が増えたりしている。都内の感染症専門医は「緊急事態宣言が守れない人もいる中、緩和案を提言する事が間違ったメッセージを与え、一層たがが緩んでしまう事が心配だ」と話す。この時期に緩和案が出た事に、政界事情通は「政府が総選挙を前に選挙対策のための好材料を出してくれと、尾身氏に要望した可能性がある」と推測する。感染症対策が選挙対策に利用される事は許されない。

 一方で、JCHO傘下の都内の5つの公的病院で、183床ある新型コロナウイルス患者用の病床が30〜50%も使われていない事が、オンラインメディア「AERAdot.」で報じられた。自宅療養者が増え医療が逼迫する中、コロナ患者受け入れに消極的な姿勢に、医師等から批判の声が上がっている。厚労省関係者も「尾身氏は『もう少し強い対策を打たないと、病床の逼迫が大変な事になる』等と声高に主張したが、傘下の病院でコロナ専用ベッドを用意しておきながら患者をあまり受け入れていない。尾身氏の言動不一致が理解出来ない」と指摘する。

 JCHOは57病院あり、稼働病床数は約1万4000床。うち6・1%に当たる870床をコロナ専用の病床にしたという。AERAdot.によると、2020年12月から今年3月の4カ月間で、JCHOの年間経常収支40億円前後の3倍強に相当にする132億円ものコロナ関連の補助金が支払われたという。「コロナ病床を空けたままでも補助金だけ連日、チャリチャリと入っており、コロナ予算を食い物にしている。受け入れが難しいのであれば、補助金を返還すべきでは」(厚労省関係者)。厚労省OBの尾身氏には、後輩の指摘に耳を傾けて欲しいものだ。

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