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日本医学会が容認するも 子宮移植に高いハードル

日本医学会が容認するも 子宮移植に高いハードル
日本医学会が容認するも
子宮移植に高いハードル

 子宮がない女性が実子を出産する唯一の方法である「子宮移植」について、日本医学会の委員会は7月、臨床研究の実施を認めた。5年以上も計画を進めてきた慶應義塾大のチームは準備を加速させるが、生きている女性から子宮を取り出し移植する手術には、倫理面への課題も大きい。世界的にも症例数は少なく、「臨床研究」が実際の医療現場で行われるようになるかは未知数だ。

 「実施が予定される臨床研究は、生まれつき子宮がないロキタンスキー症候群等の患者に、第三者の子宮を移植するもの。臓器移植法では、脳死提供が認められるのは、生命の維持にかかわる心臓等の限られた臓器で、子宮は含まれていない。そのため、子宮は生体から移植するしかない」(科学部記者)。

 脳死移植の少ない日本でも肝臓等生体間の臓器移植は行われており、決して珍しいものではない。ただ、「移植しなければ死んでしまう」状態の患者に行う臓器移植と異なり、子宮を移植する目的は「子どもを得るため」。従って、提供者は母親や姉妹等の親族が想定されている。

 「子宮と腟の一部、または全部がないロキタンスキー症候群は、女性の4500人に1人の割合で発症するとされる。年間100人以上が発症する計算だが、あまり知られていない。卵巣があるのに子どもが産めないという事は、その女性の人生の選択肢を狭めてしまう事になり、異性との交際や結婚を巡って苦しい思いをする事になる」(同)。今回の臨床研究も、患者から求める声が大きかったという。

 とはいえ、子宮が定着するか確認するには1年ほどかかり、患者は拒絶反応を防ぐため免疫抑制剤を使い続ける必要がある。出産後は子宮を摘出するが、免疫抑制剤の胎児への影響等分からない事も多い。治療にも多額の費用がかかる。「命の維持でなく生活の質を上げるための医療は、費用対効果や安全性の面から行う必要があるかを慎重に検討すべきだ」(医学会関係者)との意見もあり、臨床研究の先にあるハードルは高い。

テレビの「コロナ専門家」に
なぜか正規の教授が少ないワケ

 タレント等のテレビ出演番組数等を調査する「ニホンモニター」は7月、今年上半期の新型コロナ関連の専門家のテレビ出演本数ランキングを発表した。1位は222本と断トツで、昭和大客員教授の二木芳人氏。2位は国際医療福祉大主任教授の松本哲哉氏で156本、3位は日本医科大特任教授の北村義浩氏で136本、4位はグローバルヘルスケアクリニック院長の水野泰孝氏で134本。100回以上出演していたのはこの4人で、一時期は〝コロナの女王〟といわれた白鴎大学の岡田晴恵教授は、72回で7位だった。

 気になるのは上位4人の肩書だ。専門家と言えば「大学教授」が思い浮かぶが、いわゆる正規の教授は松本氏のみ。トップの二木氏は客員教授、北村氏は特任教授だ。客員教授と特任教授はいずれも、任期の定めがない正規職員ではなく有期雇用の教員である。

 「二木氏は昭和大医学部の教授だったが、定年後も客員教授として大学に残っているのだろう。北村氏は研究者で、大学で長年教えてきたわけではないが、実績を買われ研究領域のみの講義を担当する特任教授として招かれたとみられる」と都内大学の職員は分析する。

 「大学病院でコロナ対応に当たる教授は、テレビに頻繁に出る余裕はない。となると、開業医か、担当授業や診療業務が比較的少ない客員や特任等の教授がその任を任される事になる。大学としては宣伝になるので悪い話ではない」(同)。話の内容の正しさはもちろん、視聴者は外見や話し方にも厳しいジャッジをする。ランキング上位者はまさに、選ばれし専門家なのである。

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