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文化や医療の特別な体験を提供し ラグジュアリー観光の推進を図る

文化や医療の特別な体験を提供し ラグジュアリー観光の推進を図る
三宅 伸吾(みやけ・しんご)1961年香川県生まれ。早稲田大学政治経済学部卒。日本経済新聞社に入社後、編集委員を経て2012年退社。13年の参議院選挙で香川選挙区から出馬し初当選。現在2期目。自民党「ラグジュアリー観光議連」の設立メンバー。

自民党の「ラグジュアリー観光等の振興を通じ、我が国経済と文化の発展を目指す議員連盟(河野太郎会長)」は2021年12月に創設された。コロナ禍で疲弊した日本経済を立て直す為に、国内の優れた文化等の資産を活用し、観光外交を展開すると言う。高級宿泊施設を整備し、交通アクセスの利便性向上を図り、今後、プライベートジェットを受け入れる空港や大型クルーザーを係留する港の整備等を検討するが、医療ツーリズムへの対応も大きな課題の1つとなる。この議連の発案者として中心となって活動する三宅伸吾参議院議員に、今後必要な施策や超富裕層を呼び込む事への期待について話を聞いた。

——ラグジュアリー観光を推進する議連を立ち上げた経緯を教えて下さい。

三宅 参議院選挙に出馬する前、私は日本経済新聞の編集委員をしていました。日本を代表する若手経営者の何人かから「日本の空港ではビジネスジェットが非常に使いにくい」という不満を聞いていました。議員になってからも、大型クルーザーを持っている複数の支援者から「もっと大きな船を買いたいのだが、日本には係留出来る所が無い」と聞かされました。正にその通りで、長さ100フィート(約30メートル)以上の高級大型クルーザーを係留出来る場所は東京湾に1カ所も無く、今年春にやっと横浜港に一晩以上係留可能な施設が出来ました。そんな事も有って「日本は超富裕層の受け入れに全く対応出来ていない」と感じました。世界には、かねて大型クルーザーを所有して、地中海やカリブ海でクルージングを楽しむ人が居ます。そうした人達が、近年は日本に目を付けて沖縄辺りに繰り出す様になり、東京五輪前にはかなりの予約が入っていたそうです。コロナ禍で全てがキャンセルに。新型コロナウイルスの感染拡大による混乱も終息しつつあり、2025年には大阪万博が開催されるという事で、再び日本に世界の注目が集まっています。しかし、海外の超富裕層は多くの場合、船を先に港に回して、自分はプライベートジェットで移動します。ですから、今の使い勝手の悪い空港や港のままでは超富裕層には来てもらえません。政府はインバウンド戦略に取り組んでいますが、超富裕層をターゲットにした取り組みは欠けています。それなら、そうした政策を進めようと、議連の立ち上げを発案しました。

——超富裕層を受け入れる体制を構築するのが第1の目的ですね。

三宅 勿論第1の目的はそうです。1000億円以上の資産を保有している様な超富裕層は、当然多額の消費をしてくれる。高級ホテルへの宿泊を始め、観光地を巡り、美術工芸品や現代アート作品を買う方も居るでしょう。経済へのプラス効果が見込めます。それだけで無く、超富裕層の多くは政治的、経済的影響力を持つインフルエンサーです。そうした方々が親日家になってくれれば、日本の外交プレゼンスが高まります。私はこれを「観光外交」と呼んでいますが、それが2つ目の目的です。3つ目の目的は、国内の超富裕層がもう少し日本国内でお金を使い易い雰囲気を作りたいという事です。日本は世界第3位の経済大国ですから、当然国内にも超富裕層は大勢居る。でも、彼らの多くは国内でお金を使い辛いんですね。どうも日本では、多額の消費をし辛い空気が有る。ですから、先ずは海外の方から日本でラグジュアリーな遊びをしてもらいたい。これらが議連の大きな3つの目的です。

——政府の所謂「骨太の方針」にも「観光外交の推進」が盛り込まれました。

三宅 「観光を通じた外交的プレゼンス向上」として、初めて政府の方針に明記されました。これは議連を作った大きな成果の1つです。政府も上質なインバウンド観光を振興しようとは言っているのですが、政府がターゲットにしているのは1泊10万円位のホテルに泊まる方です。一方、議連がターゲットとしている層は、桁が少なくとも1つ多い。1泊100万円以上使う超富裕層向けの政策を政府が打ち出すのはなかなか難しいと思います。何故なら我が国はとても平等を重んじ、社会主義的な雰囲気が有るからです。議連の会合で、ある役員が「この平等な社会の中で、如何に上手く不平等なルートを作るか、それがこの議連の狙いだ」と言っていましたが、正にその通りです。

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