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牧田総合病院(東京都大田区)

牧田総合病院(東京都大田区)

217 牧田総合病院(東京都大田区)
新築移転で「病院らしくない病院」を実現

1942年にJR大森駅前に開院した牧田医院は徐々に拡大、69年には総合病院の認定を受け、大田区南部の地域医療を担ってきた。その後、老朽化・狭隘化が進んだため、2011年から立て替え準備を進め、今年2月、JR・東急蒲田駅から徒歩5分の好立地に新築移転した。

 設計段階でコンセプトにしたのは「病院らしくない病院」。デザインコンセプトも「つながる」と「つなぐ」がテーマだ。待合や病棟にはリラックス出来るグラフィックや曲線をモチーフにしたデザインを導入、各種サインにオリジナルのピクトグラムを採用した。また、病棟のグラフィックとセキュリティカードのデザインを合わせたり、スタッフのユニフォームやストラップを職種ごとに変えたりした。焼き立てパンを提供するカフェも併設、200人収容可能な講堂ではスポーツジム「コナミ」と提携したマタニティービクスや医療講座を開く等、地域の人々が集える場を提供している。

 新病院は地上5階建ての外来棟と、10階建ての救急・健診・入院棟から成り、2棟は3階の上空通路で繋がっている。病床数は移転前に実質的に運用していた約210床から290床に増床。旧病院が脳卒中に強かった事から、新病院ではSCU(脳卒中専用集中治療室)を6床から12床に増やした。救急センターはCTやMRI、血液造影装置等の検査機器や7床のECU(救急専用病棟)をワンフロアに集約。年間1万件の救急受け入れを目指す。

 区民の出産の半数が区外で行われている中、区や医師会の依頼を受け、周産期医療を約20年ぶりに再開。LDR(陣痛・分娩・回復室)と陣痛室を各3室備え、将来的には年間1000件の受け入れを目指している。

 同病院を運営する社会医療法人財団仁医会は、移転を機に法人全体の役割として急性期から在宅までのトータルケアを掲げ、蒲田分院を牧田リハビリテーション病院と改称・増床したり、旧病院隣接地に大森牧田クリニックを新設して大森地域の医療を継続したりする等の体制を取っている。

 また、ヴィジョンに「すべての人に安心を」、ミッションに「病院を変える、地域を変える」を新たに掲げた。荒井好範理事長は「病気や怪我になった人だけでなく、健康な人も気軽に立ち寄れる場になって、地域の人々に安心感を与えられる存在になりたい」と話す。



牧田総合病院

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