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東京かつしか赤十字母子医療センター(東京都葛飾区)

東京かつしか赤十字母子医療センター(東京都葛飾区)

218 東京かつしか赤十字母子医療センター(東京都葛飾区)
安全・安心・快適に「和レトロ」体現した母子日赤

1953年に開院し、地域における周産期医療の中核を担っていた葛飾赤十字産院。老朽化・狭隘化に加え、耐震化に問題を抱えていた事から、三石知左子院長の下で新病院の整備計画が進められた。葛飾区で誕生する子の4人に1人が同院で生まれている事もあり同区が協力し、区立図書館が建っていた公有地に今年6月、新築移転した。

 新築移転を機に、中堅職員らでブランディングプロジェクトを実施。所在地と機能を分かりやすくするため、病院名を「東京かつしか赤十字母子医療センター」に改称し、日本赤十字社で唯一の周産期に特化した医療施設である事から略称を「母子日赤」とした。理念の「赤十字精神に基づき、女性と子どもとそしてその周囲の人と環境にやさしい病院」から、赤ちゃんを育む母の胎内や母と子を取り巻く周囲をイメージしたアプリアイコンを作成した。

 新築移転で心掛けたのは「安全・安心・快適」。地上5階建ての耐震構造で、延べ床面積は約1万㎡。周辺にある中川や荒川の氾濫による浸水を避けるため地下は造らず、盛り土をして建物全体を少し高めにする等、災害に強い病院を目指した。また、高額医療機器は2階以上に置き、産婦人科病棟は3階に設けている。

 病床数は104床で、内訳は産婦人科一般65床、NICU(新生児集中治療室)12床、GCU(新生児回復室)24床、MFICU(母体胎児集中治療室)3床。NICU・GCU・分娩室と手術室は隣接しており、急変時に迅速に対応出来るようにした。プライバシーの確保と感染管理のため産婦人科病棟は全室個室になっている。

 また、旧病院では職員食堂は地下にあったが、新病院では職場環境の快適性を考え、スカイツリーの見える4階に職員食堂・スタッフラウンジを設けた。建物デザインのコンセプトは「和レトロ」とし、東京の下町らしい落ち着いた色彩とデザインを施すと共に、院内各所に「和レトロ」に沿ったホスピタルアートを選定した。

 全国でも珍しい試みとして、1階には区立図書館(葛飾区立にいじゅく地区図書館)が併設され、2万冊の蔵書の中でも母子のための図書が充実している。三石院長は「周産期医療の提供だけでなく、母子の全人的なケアの一翼を担っていきたい」と話す。

東京かつしか赤十字母子医療センター

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