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「PCR」が分水嶺だった? コロナで消えた医師・残った医師

「PCR」が分水嶺だった? コロナで消えた医師・残った医師

「PCR」が分水嶺だった?
コロナで消えた医師・残った医師

■テレビから「追われた」お馴染みの顔

 新型コロナウイルスの感染拡大で、専門家の発言に注目が集まっている。

 まずはテレビから。「テレビ各局は当初、インフルエンザなどの流行感染症に気軽にコメントをしてくれるお馴染みのクリニックの医師を中心に出演させた。代表は池袋大谷クリニックの大谷義夫院長やナビタスクリニックの久住英二理事長ら。しかし、視聴者らから苦情が出た」とテレビ局関係者は明かす。

 苦情の内容で多かったのが、「専門性」に対する疑問だ。テレビに出ていたのは多くが内科医だが、クリニックの医師は幅広く患者を診るため、内科と謳っていながら感染症に詳しい事は多い。そもそも大病院でもないのに「感染症科」を標榜する医院は少ない。しかし、視聴者の目には「内科医は感染症の専門外」と映ったようだ。

 論文等をチェックしているとはいえ、彼らに患者を診療した医師のような最新の知見がない事は仕方ない。ただ、内科医だから感染症に詳しくないとは言い切れないし、家庭内で出来る対策等は、そうした医師の方がうまく話せる事もあるだろう。

 そもそもこうした事態になれば、専門家はテレビに出る余裕はない。「政府の新型コロナ専門家会議のメンバーは忙し過ぎてつかまらず、個人の立場から発言してもらうのも難しい」(同)。

 さらに、感染者が増えればクリニックにも感染の疑いがある患者が来るようになる。院内感染対策の徹底等で多忙となり、お馴染みの医師の出演も難しくなっていく。その結果、「臨床に携わっていない大学の研究者の出演が増えた」(同)のだという。

■ネット民が〝攻撃〟か

 インターネットではどうか。SNSの世界では日頃から様々な医師が情報発信しているが、コロナの感染拡大でさらに注目を集めるようになった。中でも意見が割れたのが、PCR検査を拡大するか、現状維持で絞るかである。

 政府はPCR検査を絞る方針を維持したが、これに異議を唱えていた医療ガバナンス研究所理事長の上昌広氏や白鴎大学教授の岡田晴恵氏らには批判が殺到した。中でも上氏は、勝間和代氏の事務所代表で経済評論家の上念司氏との〝バトル〟で注目された。

 「インターネットで番組を配信するAbemaTVで上氏と共演する事になった上念氏は、上氏が出演を直前キャンセルしたと明かし、ぶつけるはずだった質問をツイッターで公開した。個人攻撃も含んだ多岐にわたる質問で、さすがに同情した」(全国紙記者)。

 民主党政権時代に重宝された上氏は以前から、安倍政権や厚生労働省に対して批判的な主張で知られる。「上念氏は逆に安倍政権と近い事で知られており、イデオロギーの対立が、批判勢力の攻撃性を高めてしまった面は否めない」と記者は解説する。

 PCR検査を巡っては拡大と維持、どちらが正しいか答えは出ていない。無症状を含め多くの患者を拾い上げたが、一時、医療崩壊になった韓国の例もあれば、日本のように絞った結果、感染有無を調べられず不安に苛まれる例もある。

 ただ、上氏以外にも大谷氏や岡田氏もPCR拡大論を唱えており、そのいずれもがネット上で大きな批判を浴びた事は間違いない。「PCR」への方向性の違いが、〝ネット民〟の攻撃対象となるかの分水嶺だったようだ。

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