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未来の会

舛添氏が新型インフルを終息させた? 発言が物議をかもす  

舛添氏が新型インフルを終息させた? 発言が物議をかもす  
舛添氏が新型インフルを終息させた?
発言が物議をかもす

 2009年の新型インフルエンザ以来の世界的流行となった新型コロナウイルス。これを受けて09年を〝経験〟した人達の発言が物議をかもす場面が増えている。

 その1人が、新型インフル流行当時に厚生労働大臣だった舛添要一氏だ。政府の新型コロナ専門家会議の5月4日の提言を受け、自身のツイッターで「尾身氏がPCR検査が遅れている理由を縷々述べたが、全く他人事で責任意識のかけらもない。2009年に厚労大臣として私が新型インフルに対応したときも、専門委の座長がこの人物。対応に不信感を持った私は、若手研究者で大臣直属のチームBを作り、その意見を採用して早期の感染終息に成功した」と政府の専門家会議副座長である尾身茂氏を攻撃した。

 当時を知る全国紙記者は「09年の麻生太郎内閣で厚労大臣だった舛添氏は省内改革に力を入れ、官僚と軋轢を起こした」と語る。同年秋に誕生した民主党政権で厚労大臣となった長妻昭氏に改革の流れは引き継がれ、官僚型政治からの打破が図られた。

 一方の尾身氏は、06年に政府の推薦を受け世界保健機関(WHO)事務局長に立候補するも落選。長らく厚労省の委員会で委員になる等重用されており、従来型官僚の意見を軽視する舛添氏にとって〝外したい〟人物だったのかもしれない。

 舛添氏が採用した新型インフルの感染を早期終息させた若手の意見が何かは不明だが、ある医療ジャーナリストは「09年の新型インフルは毒性が低く、国内感染が初確認されて約1週間で水際対策も縮小された。タミフルという治療薬もあり、コロナと同列に論じる事は出来ない」と話す。都内の内科医も「09年の新型インフルは、今は季節性インフルとして毎年はやるインフルの1つになっている。感染終息とは何を指すのか」と首をひねる。

 再び前出記者の話。「今回の新型コロナは、米国や英国など国際保健の先進国でも多くの死者を出した。ウイルスの特性、各国の医療・保険制度が異なる中で対応策に正解はない。いたずらな政府批判や個人攻撃は無意味だ」。

 舛添氏は攻撃ではなく自慢をしたかったのかもしれないが……。

「村中璃子氏の医師免許の提示を」
厚労省に対して署名活動が勃発
騒動続きの村中医師

 新型コロナを巡り積極的に意見を発信しているのが、医師でジャーナリストの村中璃子氏だ。HPV(ヒトパピローマウイルス)ワクチン接種後の副反応を訴える少女について、副反応ではないと発信して被害者らから猛反発を受けたり、元信州大学医学部長の池田修一氏に名誉棄損訴訟を起こされたり(敗訴)と、様々な騒動の渦中にいた村中氏が、今度は経歴を巡り署名活動を起こされた。

 「インターネットで署名を集めるサイトで4月、村中さんの医師免許の提示を厚労省に求める署名が始まった。医師資格を調べる検索システムに名前が出てこないためだというが、資格を持たずに医療行為をしたわけでもなく、厚労省が動くかどうか………」(全国紙記者)。この検索システムは国内に在住する医師が2年に1度提出する医師登録票が基になっており、日本で医師免許を取得しても海外在住であれば届け出る必要がない。

 署名は停止されたり再開されたりしながら、約1カ月で1500人を集めて終了。折しも厚労省ではより広い型に対応するHPV9価ワクチンの承認が議論されており、HPV被害者弁護団から審議中止を求める意見書も出されている。ワクチンを推奨し、過激な言動で知られる村中氏は、今後も新たな騒動に巻き込まれるのだろうか。

役職解かれても怒り収まらない
「大坪寛子被害者の会」
官邸VS医系技官・医療界の緊張関係を露わにした大坪氏問題

 和泉洋人・首相補佐官との不倫が発覚した大坪寛子・厚生労働省大臣官房審議官は4月3日付で、兼任していた内閣官房健康・医療戦略室の次長職を解かれた。その背景について、大手紙記者は「不倫問題だけでなく、官邸への答弁能力にも疑問符が付いたようで、諸々が影響した」と説明する。

 大坪氏は同室室長の和泉氏とともに昨年夏、京都大学iPS細胞研究所を訪問、所長の山中伸弥教授に対し、iPS細胞ストック事業への政府補助打ち切りを通告。また、国立研究開発法人の日本医療研究開発機構(AMED)の人事等に介入、当時の末松誠理事長と激しく対立した。

 事情通は「和泉氏の寵愛をバックに力を付け過ぎた大坪氏に対し、厚労省の鈴木康裕・医務技監が自身と同じ慶大医学部出身の末松氏を表に立て、大坪氏に対峙させた」と説明する。

 末松氏は「昨年7月以降、大坪氏が次長になってから、我々のオートノミー(自律性)は完全に消失した」と訴えていた。末松氏が再任されなかったのも、喧嘩両成敗の形になったようだ。

 軋轢を生んだ相手は医療界にも多いという。ある医療関係者は「健康・医療戦略室として何を推進するのかといったコンセプトはなく、大坪氏にはコストカットしかなかった。それを和泉氏が手柄にしていたのだろう。だから大坪氏は医療人に嫌われていた」と話す。

 そのため、大学医学部や学会を横断的に「大坪寛子被害者の会」が結成されたと打ち明ける。その大坪氏が健康・医療戦略室次長職を解かれ、被害者の会は溜飲を下げたと思いきや、そうでもないらしい。

 前出の医療関係者によると、週刊誌に不倫問題が報じられた際、「美人官僚」と表現された事を大坪氏が喜んでいたり、会議に出ても臆した様子がなかったり、上司だった和泉氏におとがめなしだったりした事が会員の怒りを増幅し、さらには安倍首相に対する不信感をもたらしているという。「間違いを認めない内閣」の弊害が、医療界にまで及んでいる。

「アビガン」承認推進で露呈した
安倍首相・富士フイルム・日経の“3密”

 新型コロナウイルスの治療薬として期待が持たれている富士フイルム富山化学のインフルエンザ治療薬「アビガン」。安倍晋三首相のアビガンへの前のめりぶりは目を見張る。日本の製薬企業の既存薬の中で、新型コロナの治療薬として候補に挙がっているのは、中外製薬の関節リウマチ治療薬の「アクテムラ」や、ノーベル医学生理学賞を受賞した大村智・北里大学特別栄誉教授が発見した細菌が生成する物質を基に作られた抗寄生虫薬「イベルメクチン」等があるにもかかわらず、アビガンほど関心はなさそうだ。

 富士フイルムホールディングスの古森重隆・会長兼最高経営責任者(CEO)は、安倍首相と昵懇の仲だ。また、アビガンの副作用等を念頭に承認に慎重な厚労省医系技官に対し、日本経済新聞は批判めいた記事を掲載。政権に近い日経と古森氏の関係もまた〝密〟である。この3者の関係は、別の意味での〝3密〟と言える。

 臨床研究でアビガンの有効性が示されなかったと報じられる中、製薬業界を長年担当している大手経済誌の記者は、「今回の新型コロナ騒動で、安倍政権の危うさや薬事行政の問題点が噴出している感がする」と危機感を露わにしている。

COMMENTS & TRACKBACKS

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  1. 村中璃子が騒動に巻き込まれている?何を言うか、自分がやってきたことが原因で疑惑を追及されているだけではないか!
    ペンネームで活躍する文系女医だと?偽名で年齢不詳の自称(偽)医者ではないか?
    医学部卒業年、医師免許取得年、医師登録年、必須となっている臨床研修した病院名も一切不明だ。で結局何が専門の医師だ?都合のいい経歴だけを並べたてた信用できないプロフィール、世間の疑惑に合わせて削除と加筆を繰り返している。都立高校中退もいつの間にか消えている。
    こんな人物を今まで放置してきた日本のメディアは一体なにをやっているのだ。
    日本でヤバくなったから、今度はドイツ在住だそうだ。手を替え品を替え売り込んでくる。
    残念ながら現在ドイツは危険レベル3、渡航中止勧告が出ている。査証も在留許可も出ているはずがない。
    御社も偽医者に騙されぬよう十分注意なさるがよい。
    しかしながらこの疑惑の女を取り上げてくれたことに感謝している。今後も現場の医療従事者への敬意を払うためにも、この問題への解決に向けて協力していただきたい。

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