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南東北グループ医療法人社団三成会 新百合ヶ丘総合病院(神奈川県川崎市)

南東北グループ医療法人社団三成会 新百合ヶ丘総合病院(神奈川県川崎市)

223 南東北グループ医療法人社団三成会 新百合ヶ丘総合病院
地域ニーズにより応えていく為の新棟竣工(神奈川県川崎市)

福島県郡山市の総合南東北病院を基幹病院とする南東北グループが、2012年8月に神奈川県川崎市に開院した新百合ヶ丘総合病院は、今年10周年を迎える。川崎市北部医療圏の救急・急性期医療の一翼を担い、この地域に長らく不足していた産科・小児科の充実に寄与し、癌や脳・心臓疾患の高度先端医療を提供する病院として地域に受け入れられて来た。20年4月には新棟が完成し、186床が増床された。それに伴い、回復期リハビリテーションと緩和ケアが追加され、救急センターの拡充や救急病棟の新設が行われた。又、IVR-CT(CT連動血管撮影治療装置)等の高度先端医療機器を導入。総合病院としての機能を大幅に強化した。予防医学にも力を入れており、健診センターでは人間ドック・脳ドック・生活習慣病健診・定期健診を実施。健康講座も頻繁に開催し、参加者総数は既に4万人を超えている。

 新棟の増築は、病院機能の強化に繋がったとしても、建築物としての美しさを損なったり、動線が複雑化したりする事が多いものだ。ところが、新百合ヶ丘総合病院では、A棟とB 棟をガラス張りの曲面が美しいコネクトホールで繋ぐ事で、分かり易い動線と光溢れる癒やしの空間を作り出す事に成功した。21年3月には、魅力ある都市景観作りに寄与したとして川崎市から表彰を受けている。受賞理由は「増築部分が既存建築物と一体的なデザインになっている。そして敷地の豊かな緑に建築物全体が違和感なく溶け込んでいる点が評価出来る」というものだった。

 陽光が差し込み開放感のあるコネクトホールには、窓側にカフェスペースがあり、内側にはコンビニ「アロハ」とイートインスペースがある。コンビニでは、地域で人気のパン屋や牛丼店の弁当も購入出来、南東北グループの本拠地福島県の名産品も扱っている。2階のレストラン「NABE」では、春先には大きなガラス窓の向こうに、満開の桜を楽しむ事が出来る。

 病院を癒しと安らぎの空間とする為の活動も活発だ。様々な職種の職員とその仲間で構成される管弦楽団があり、病院内のホールで年2回の定期演奏会を行っている。又、七夕とクリスマスにはプラネタリウム上映会を開催。好評だったが、コロナ禍の現在は休止中だという。
設計・施工:㈱久米設計、㈱安藤・間


新百合ヶ丘総合病院

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