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第50回 武田を壊した長谷川閑史の罪は「万死に値する」

第50回 武田を壊した長谷川閑史の罪は「万死に値する」
虚妄の巨城 武田薬品工業の品行
武田を壊した長谷川閑史の罪は「万死に値する」

 長谷川閑史はいまだに責任を取っていない。武田薬品工業会長、経済同友会代表幹事のいすに居座り続けている。長谷川の「米国かぶれ」は製薬業界内外で広く知られるところだ。だが、このご仁の脳内には「グローバルスタンダード」としての厳格な信賞必罰など、かけらもありはしない。

 6月に行われた武田の株主総会で株主や元社員らが質問状を提出したことはすでにお伝えした。今号でも引き続き、その内容を引用しつつ、「長谷川体制」とは何かを考えたい。

武田のコア技術を外国人が破壊
 〈質問番号3 グローバル化及び優秀な日本技術者のモチベーション低下

 ①日本の企業にとってグローバル化問題は避けて通れない。しかし、グローバル化とは単に国際的に巨大化することではなく、固有のコアー技術をもって、それをテコに海外展開することであるが、武田薬品の今のやり方は形の上からのみの実態を伴わないグローバル化を急いでいるように見える。武田薬品にとってのグローバル化とはどのようなことと考えているかについて回答されたい。

 ②湘南研究所の現状は武田固有のコア技術が外国人指導者によって完全に破壊され、研究所員は当面のDDR(Drug Development Research)のためにのみ追いまくられ、長年武田の発展を支えてきたコア技術を担ってきた中核の技術者は非情にも馘首・退職の憂き目にあっている。一方、このところ新規採用による人材補充、将来への布石が充分なされていない。この状況では武田のコア技術の空洞化を招くとともに、いわゆるリストラによる経費節減を最優先するという欧米式の外国人指導体制によって、研究基盤は荒廃し、日本人研究技術者のモチベーションを著しく低下させている。この現状を武田薬品はどのように考えているのか回答されたい。

 ③今後武田薬品が新規採用を再開しても、英語の一定の能力を採用条件としている現状では、外国語にそれほど堪能でないという理由だけで、科学的な能力が秀でた研究技術者が武田薬品に入社応募することを敬遠するという事態が予想される。研究に精力的に長時間打ち込むのが当たり前な学生にとって、一般的には研究と外国語でのコミュニケーション能力を向上させるという二面を同時に両立させるのはかなり難しい要求であると思われる。長谷川社長は研究技術者に対し、外国語能力と科学的能力のどちらを求めるのか、また、現在のような研究開発体制が、これまで培われた武田イズムを崩壊させると言う研究者の実態に危機感を持っていないように見受けられるが、研究所、研究者についての現状認識と今後の方針並びに見通しについて見解を示されたい〉

 いかに「繰り上げ当選」とはいえ、曲がりなりにも国内製薬企業の首位。武田子飼いの日本人研究者に世界に伍する力量が全くなかったとは考えにくい。これらの人材の価値を不当に低く見積もり、放逐に及んだのは誰なのだろうか。

 本誌も再三指摘してきたように、武田はすでに以前とは全く体質の異なる組織に変貌している。その旗を振ったのは「米国かぶれ」のトップだ。

 〈質問番号4 来年に選任されると公表されているウェーバー氏のCEO選任について

 ①2014年1月10日の日本経済新聞の「国際再編、成否の分かれ目」という記事によれば、長谷川社長は、ミレニアム社とナイコメッド社についてのM&Aの失敗について「我々に力がなかった」と認めているが、これが来年に選任される予定である外国人であるウェーバー氏のCEO選任につながっているのか回答されたい。

 ②200年の歴史をもつ武田薬品は、今日まで日本国の医薬品業界のリーディング・カンパニーとして業界、経済界に多くの貢献をなし、人々の健康の維持と増進のための国家の重要諸施策の一端を支えてきたことは、多くの人々からも認めていただいている。

 もしウェーバー氏が社長になり、更に武田薬品が海外の有力大手医薬品企業等に買収されるような事態になれば、武田薬品、いやむしろ日本国が保有すると言っても過言でない世界水準からみても極めて優良な創薬のコアー技術が喪失、あるいは国外に流失する可能性が現実問題として発生することが極めて憂慮される。これは政府が掲げる成長戦略の一つの柱である医療関連産業に係わる研究の加速という方針に逆行するものといえる。

 加えて、欧米製薬技術に比肩しそれを凌駕するために長年に亘り歴代企業トップによる全面的な支援および断固たる指示の下で育成されてきた医薬品創製のための貴重な武田の技術及び研究者の社外流出あるいは喪失が危惧され、結果的には電器産業大手の二の舞となる恐れがある。

 以上の点を踏まえると、来年に選任されると公表されているウェーバー氏のCEO選任は、いわゆる外資の乗っ取りというべきであり、殊に財務と研究開発を外人COOまたはCEOの主導に任せることは、武田薬品さらには日本国にとっては決して許してはいけないことだと考えるが、この件についての武田薬品の見解を回答されたい〉

経営幹部会議は外国人が抑え込む
 広報担当者による不可解な取材拒否が続く中、ウェーバーの本心など本誌には知る由もない。だが、質問状にある〈外資の乗っ取り〉については多少思い当たるところもある。経営トップの交替以前に「乗っ取り」は事実上、完遂しているのではないだろうか。武田の枢要な部署はすでに買収した企業の出身者で占められている。

 〈質問番号5 取締役会の形骸化について

 ①武田薬品には取締役会とは別に、「グローバル・リーダーシップ・コミッティー」という機関(以下、「経営幹部会議」という)があるが、その構成メンバーを回答されたい。

 ②経営幹部会議の多くが外国人で占められており、重要事項の決定は取締役会ではなくて経営幹部会議で行われ、本来は経営幹部会議の上位機関である取締役会が機能せず形骸化している。この取締役会の形骸化が今回のミレニアム社及びナイコメッド社M&Aの巨額の投資を招いた原因ではないかと思うが、その点についての武田薬品の見解を回答されたい〉

 「強力なリーダーシップ」で組織を弱体化させ、利益を失い、臨床研究不正で信用を失うに至った。長谷川の罪は万死に値する。

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