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第18回未来の会

第31回 越年必至の「外部機関による安全調査」結果公表

第31回 越年必至の「外部機関による安全調査」結果公表
虚妄の巨城 武田薬品工業の品行

 藤沢・鎌倉両市の市民有志で構成されるグループ「武田問題対策連絡会」(代表:小林麻須男氏)。会のウェブサイトに2012年7月、下記のような投稿がアップされた。

 〈環境保全協定に基づく、周辺住民と武田薬品が意見交換する機会は、藤沢市と鎌倉市の両市にそれぞれ設けられた「連絡会議」および「連絡会」であるが、事故直後の昨年12月の開催以来、半年ぶりの5月(連絡会議)と6月2日(連絡会)にいずれも町内会の代表者が出席して開催され、前例通り開催からひと月ほど経ってその議事録が公開された。

 両市それぞれ開催の連絡会議で武田薬品から種々の報告があったことが公開された資料から具体的に判りました。注目すべき点は武田研究所が外部機関に自らの研究所のレベルを調査委託したこと。

 じかに見られないということはいかがなものかと思われるが、いまのところ遠方の方は、上記鎌倉市のHPでご覧下さい。(湘南研究所HPも間もなく掲載されることと思われる)〉

 名義は〈武田問題対策連絡会会員〉。本誌が繰り返し報じてきたように、武田薬品工業「湘南研究所」は11年11月に遺伝子組み換え生物を含む排水を漏出する深刻な事故を引き起こした。同会のサイトには7月以後、9月まで断続的に事故を振り返る投稿が上がっている。企業や行政による十年一日のごとき対応にしびれを切らせた市民が自ら立ち上がったのだろう。

市民グループが独自に行った検証

 武田は12年4月以降、「外部機関による安全調査」を口実に、事故の不明瞭部分への説明を回避し続けている。問題の安全監査結果は12月中旬の本稿締切時点では市民に報告されていない。13年1月以降になることは確実だ。

 本誌がかねて問題視してきた配管集積方式による遺伝子組み替え生物の不活化。医薬研究本部研究業務部環境安全衛生グループマネージャー、橋口昌平は「製薬企業なら、類似の配管集積方式を採用している」と強弁する。だが、自身の口から具体的な社名が出ることはなかった。

 一方、武田問題対策連絡会では、7月の総会で活動方針に「専門部会設置」を書き加えた。1号事案として、9月下旬の例会において「漏洩事故検証部会」を立ち上げている。5回の会合を経て検討を重ね、平倉誠氏を中心に最終書面を準備する作業を続けてきた。

 11月の例会で案文を対策連絡会に提示。取りまとめ方向などを議論し、その後、専門部会で論議し部会の最終まとめを行った。

 検証部会の答申案文の骨子は以下の通り。

 湘南研究所C4棟の遺伝子組換え実験廃液の「配管集積一括不活化処理」の施設は法令の規定からしてそぐわない

 法令には配管集積を廃液の運搬方式として認める記載がない

 湘南研は「不安全施設」であり「違法施設」である

 同会は12年4月13日と10月4日の2回、文部科学省と各回1時間以上をかけて議論している。文科省ライフサイエンス課生命倫理・安全対策室、宮脇豊・室長補佐は「適法」と譲らない。

 このほど〈湘南研究所のカルタヘナ法違反遺伝子組換え生物等漏洩事故を検証して〜武田問題対策連絡会 漏洩事故検証部会の最終報告書〉と題する文書の取りまとめが終了した。

 報告書は〈事故検証部会は、表記事故について武田薬品社長名の2通の事故報告書を客観的に読込み、かつ同社の行政宛て提出書類や関連法令を照合した結果として、以下の通り報告する〉とうたう。「科学的な素人に対する説明は決してていねいではない」と鎌倉市前環境部長も断言する武田の体質にくぎを刺す意図が込められていると考えていいだろう。

報告書が伝える「事故の概要」

 報告書は以下の項目から成る。

 漏洩事故の概要

 武田薬品の事故報告書に、重大な書き誤りと重要事項の隠蔽

 (1)重大な書き誤りについて

 (2)重大事項の隠蔽について

 C4棟の滅菌処理施設はどう運用されていたか

 滅菌処理施設への対処を両市行政に要求したが拒否される

 遺伝子組み換え実験の心得を学ぶ

 提出の『自主管理マニュアル』はC4棟施設には飾り物か?

 ⑦問題施設はバイオハザード防止に必修とする実験手順に整合せず

 自主管理マニュアルの定める「事故時の対応及び措置」は生かされず

 C4棟30余の流しから廃液を配管で1階に集める方式は法令違反

 湘南研究所が直ちに対処すべき事は何か? A4判で計12ページ。その濃密な内容を追う。

 まずは①。漏出事故を以下のように簡潔にまとめている。

〈漏洩事故は湘南研究所のC4棟1階の「滅菌室」にある「廃液タンク」で起きた。原因は5階の実験室で、前日の11月29日(火)の夕刻19時ころに水道の蛇口閉め忘れがあり、そのため水道水が「実験廃液用」の流しから配管を通じて1階の「廃液タンク」へと流れ込む状態が続き、廃液タンク内の液が増量したことで、生きた遺伝子組換え微生物を含む実験廃液(以下「実験廃液」という。)が、オーバーフローしてしまった。

 上階の実験室でのケアレスミスに原因があり、翌11月30日(水)未明の1時には水道水が加わった実験廃液はタンク上部から滅菌室内の床に溢れ出し、床一面に溢れた多量の液の一部が滅菌室床の防水不良部分を通じて階下の免震室にまで漏水したという事故である。滅菌室の広さは30〜40平方メートル程、30日早朝の7時になって出勤者が上階の水道蛇口を止水した。「未明から水道水と一緒に溢れ出た遺伝子組換え微生物を調べたか?」という藤沢市厚生環境常任委員会での質問に「分析していない」(湘南研究所・橋口マネージャー)との回答があり、科学的な実態解明に一部不明点が残った〉

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