
東大医学部汚職と「国際卓越研究大学」審査の行方
2026年1月、東京大学医学部の教授が贈収賄容疑で逮捕された。藤井輝夫総長は「教育、研究機関として社会の信頼を著しく損ねた」と謝罪に追い込まれたが、学内外からは「謝罪で済む話ではない」との厳しい声が上がっている。本来であれば、組織のトップとして進退に言及して然るべき局面との見方も、文科省内から漏れ聞こえてくる。文科省関係者からは「言語道断」との辛辣な声も出ている。或る幹部は「情けないの一語に尽きる。病院長に責任を取らせ、ご本人は役員報酬の50%の1カ月自主返納で済むのか」と言う。続けて、「前回の東大の総長選挙でも公明正大から程遠い選挙と大手メディアで記事になっていた。役所にまで取材が入り、大いに迷惑をしたもんだ」と話す。
今回の問題がより深刻なのは、単なる一教授の不祥事では済まされない構造的疑念が付き纏う点だ。東京大学では25年にも医学部関連の汚職事件で逮捕者が出ており、短期間に同種の不祥事が続いた事になる。捜査関係者の間では「もはや単発ではない」との見方も有り、大学組織の統治や内部統制の在り方に疑問符が付き始めているとの指摘も有る。東大程の巨大組織であれば、個別事案の背後に制度疲労が潜んでいるのではないかとの見方もくすぶる。
問題はここからだ。現在、東京大学は政府の大型支援制度「国際卓越研究大学」への申請を進めている。巨額の公的資金を長期に投じる国家プロジェクトであり、審査では研究力だけでなくガバナンスや倫理性、社会的信頼が厳しく問われる。その最中に、しかも看板分野の医学部で連続して汚職が発覚した意味は決して小さくない。とりわけ、国費が投入される以上、国民感情への影響も無視出来ず、審査の透明性を求める声が強まる可能性も有る。
大学関係者の間では「ガバナンスが問われる中で2度の汚職は致命的」との声が上がる。審査に近いとされる人物からも「この状況で合格とすれば有識者会議のメンバーに迄便宜が及んでいるのではないかという別の疑念を招き兼ねない」として、自主的な辞退を求める意見が出ているという。審査結果次第では新たな波紋を呼ぶ可能性は否定出来ない。仮に、刑事事件でも大学評価に影響しないのであれば、それ自体が制度への信頼を揺るがし兼ねないとの指摘は正論だろう。
国際卓越研究大学制度は、大学の“人格”が問われる選別でもある。東大側は個別事案との立場を崩していないが、短期間で繰り返された不祥事を社会がどう受け止めるかは別問題だ。今回の逮捕劇は単なる大学不祥事に留まらず、日本の大学ガバナンスの成熟を映す試金石となる可能性が有る。審査の行方が、その1つの答えを示す事になりそうだ。
終活「お一人さま」は公正証書での遺言作成が必須
以前、都内の有名弁護士事務所に所属する某弁護士が地方銀行と結託し、「お一人さま」と呼ばれる高齢単身者の口座残高情報を基に接触をしていた——そんな驚きの情報が弊誌に寄せられた事が有る。取材直後、この弁護士は事務所を退職し雲隠れした。
告発の構図はこうだ。身寄りの無い高齢者や独居の資産家に対し、この弁護士が相続対策や財産管理を名目にアプローチする。表向きは終活支援や後見制度のサポートだが、水面下では地方銀行の「お一人さま」口座情報が活用されているという。仮に事実であれば、銀行の守秘義務のみならず、弁護士倫理も厳しく問われる話である。背景に在るのは、「お一人さま資産」の急増だ。単身高齢者が保有する金融資産は年々膨らみ、相続人不在のケースも珍しくない。死亡後、預金が国庫に帰属するケースも増えており、その額は年間2000億円規模に上る。
遺言書が無いまま亡くなれば、本人の意思とは無関係に国庫行きだ。迷いや後悔を残さない為にも、元気な内に公正証書で遺言を作成する——それが、超高齢社会に於ける最低限の自己防衛と言えるのではないか。40歳代に入ると多くの米国人は遺言書を作成するという。「遺言書の先進国・米国」を見習いたい。


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