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230 岡山医療センター(岡山県岡山市)

230 岡山医療センター(岡山県岡山市)

「再生」「新生」の祈り込め中庭に公園整備
 岡山医療センター(岡山県岡山市)

新型コロナ感染症対策で我慢が強いられる状況が続く中、患者や職員の憩いの場を設け、地域に明るいメッセージを発信しようと独立行政法人国立病院機構岡山医療センターが2022年4月、病院中庭に小さな公園を設けた。学生ボランティアの協力も得て完成した公園は、病院のマスコットキャラクターに因んで「さにーちゃんガーデン」と名付けられ、患者や家族、職員らが思い思いのひと時を過ごし、心を和ませている。

 岡山医療センターは1945年、旧陸軍病院を引き継ぎ、国立岡山病院として発足。その後、移転や名称変更等を経て、岡山市中心部から約10キロ離れた郊外の閑静な環境の中で、岡山県内の拠点病院としての役割を担っている。

 公園が設けられたのは、病院1階の食堂とリハビリ室の間にある中庭。メンテナンスの一環としてアスファルト舗装した所、以前から植栽されていた樹木が枯れてしまい、殺風景になってしまった為、公園に作り変える事を決めた。病院がボランティアを募ると、地元のデザイン専門学校の協力で学生らが参加。職員ら院内ボランティアも加わり、約9カ月掛けて新たに樹木を植え、ベンチを設けた。吸水性アスファルトの地面には学生らがイラストを描き、地上壁画の様なユニークなデザインとなった。植栽が概ね完了した21年12月には、小児科スタッフの発案でクリスマスツリーを設置。イルミネーションは、患者や家族、職員らの目を楽しませた。公園が完成した22年4月にはオープニングセレモニーも開かれ、病院に勤務する医師のバイオリンとピアノによる祝賀演奏が披露される等、病院が一体となって開園を祝った。

 「さにーちゃん」は、治療を受ける子供達が少しでも快適に過ごせる様にと、2018年に誕生したマスコットキャラクターだ。今後は「お庭の管理人」としても患者らと触れ合っていく。

 久保俊英院長は「無機質な病院空間で、少しでも患者が憩える場、職員も心落ち着かせる事が出来る場を提供したいと、コロナ禍の今だからこそ公園化の事業を推し進めました。hospital artに興味を持ってくれる人が出れば幸いです」と言う。

 公園のシンボルには、花言葉が「再生」「新生」のユーカリポポラスが選ばれた。強い生命力に「いつも健康であること」「コロナ禍からの復興」との祈りを込めたという。こうした祈りを胸に刻み、地域医療の中核として信頼され、社会に貢献する病院を目指す。


岡山医療センター(岡山県岡山市)

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