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第53回 厚労省人事ウォッチング 長時間労働を強いる後藤厚労相に不満続出

第53回 厚労省人事ウォッチング 長時間労働を強いる後藤厚労相に不満続出
後藤茂之厚労相

 昨年10月に発足した岸田文雄内閣に伴い、新たに厚生労働相に就任した後藤茂之氏のやる気に省内が振り回されている。当初よりも改善したものの、大臣レクは長引く傾向にあり、官僚に対する注文も細かい。後藤氏自身によるぶら下がり会見の頻度も高く、その都度、官僚は準備に追われている。新型コロナウイルス感染症対応で、長時間労働を強いられている厚労省だが、後藤氏の就任以降は改善するどころか悪化する一方だ。省内からは「前任の田村(憲久)さんの時代が懐かしい」との声が囁かれている。

 東京教育大学附属(現・筑波大学附属)駒場高校、東京大学法学部を卒業した後藤氏は、1955年生まれの66歳。「ファミリーマート」元会長・後藤茂氏の長男で、生まれも育ちも正真正銘のエリート中のエリートだ。旧大蔵省出身で主税局企画調査室長を最後に退官し、衆院長野4区から出馬した。初当選した2000年の衆院選では民主党で当選したが、その後自民党に入党して現在は当選7回。税制に精通している他、社会保障制度にも詳しく、省内では「加藤(勝信)さんや田村さん以外で大臣を務められるのは後藤さんしかいない」と言われてきたが、野党出身という事も有り冷遇されてきた。自民党総裁選で無派閥ながら岸田陣営の事務総長代理を務めた事も有って、満を持しての起用になった。

 しかし、就任直後から職員の不満ばかりが聞こえて来る。先ずはその大臣レクの長さが問題だ。厚労省幹部は「大臣の話が長く、レクが長い。文言の修正も細かく、まるで課長補佐の様な細かい指摘をする事もある」とぼやく。オミクロン株が発見され、水際対策に追われていた年末には大臣レクが終わらず、午前0時を過ぎて事務次官ら幹部が↘退庁する日々が続く事も有った。大臣のぶら下がり会見も首相官邸とギリギリまで調整が続く事が多い為、通常の業務時間外だったり、予定の時間から1時間弱遅れて開催される事も有った。大手紙記者は「重要な案件の発表も有ったが、待たされる割りにどうでも良い内容も有った」と渋い顔だ。

 火曜と金曜の閣議後に予定されている定例の記者会見に加え、週に3回のぶら下がり会見を別途行う事も有るが、記者会見時に資料が用意され↖なかったり、記者の質問への説明が冗長だったりする事も有り、省内では「大臣自ら説明をしなくても良いのでは」と言う声も挙がる。ただ、後藤氏が就任する以前は、官僚による事務的なブリーフィングが中心で、後藤氏が「国民に対する舌足らずな説明が政府批判の温床になっていたと考えていた」(厚労省関係者)という事情から、自ら発信するスタイルに拘っているという。

 こうした声が後藤氏本人に伝わったと見られ、深夜のレクは基本的に無くなる等、少しずつではあるが「改善」が図られた。とは言え、田村前厚労相時代に比べても業務は軽減されておらず、今後、衆参の厚生労働委員会の審議が控えている事から「元の木阿弥に戻らなければ良いが……一番意識改革が必要なのは、後藤氏かも知れない」と懸念する職員も居る。後藤氏のマネージメント力が問われている。


※第51回タイトル「初の女性事務次官誕生も秒読み?」と有るのは、「旧厚生省出身で初の女性事務次官?」の誤りでした。訂正してお詫び致します。

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