SHUCHU PUBLISHING

病院経営者のための会員制情報紙/集中出版株式会社

未来の会

第133回 COVID 19ワクチンの害

第133回 COVID 19ワクチンの害

 仮承認状態のまま、2月半ばから、日本でもCOVID-19ワクチン(候補)の接種が始まる。ファイザー・ビオンテック社製(BNT)とモデルナ社製(MOD)の有効率約95%の真偽、害、日本で接種が行われた場合の利益と害は? 薬のチェック速報版No190¹⁾(2021年2月9日)、薬のチェックNo94²⁾(21年3月発行)²⁾で詳しく扱った。概要を紹介する。

発症抑制率は82〜95%

 BNTおよびMODは、COVID-19の症状がありPCR検査陽性者を防止する割合(発症抑制率)は、初回接種後で82〜90%、2回目接種後で94〜95%程度であった。年齢による違いもあまりなく、重症化抑制率も90%以上と大きく変わらない。死亡への影響の評価は、臨床試験の対象者数が少なく、観察期間も短いため、不明である。

 アストラゼネカ社の製剤(AZD)では、観察人年も少なく、発症抑制率も60%と2製剤より劣る。しかも1280人年の観察で横断性脊髄炎あるいは多発性硬化症の顕性化など、自己免疫性の神経疾患が自然発症の10〜80倍と、高率に認められた。

不顕性感染防止効果はないかも

 COVID-19の症状がなくPCR検査で陽性が認められた例を「不顕性感染」とすると、その防止効果はBNTやNODでは報告がなく不明であった。一方、AZDでは、AZD群と対照群は同数であり、全く効果がなかった。上気道局所IgA抗体を産生せず、動物実験結果と一致した結果である。

害はかなり大きい

 重篤(serious)な害はプラセボと比較して差はないが、接種後短期間の発熱や痛みなど重症(severe)の害がプラセボより1.7倍から2.5倍あった。

 ノルウェーでは、75歳以上の高齢接種者1300人に1人(33/42000)が死亡。発熱や吐き気など、ありふれた症状がきっかけとなった死亡で、ワクチンとの関連が指摘されている。ハンク・アーロンさんの死亡(接種2週間後に睡眠中突然死)も、ワクチンによる軽い炎症で睡眠中低酸素になっても呼吸駆動が作動しないため無関係でない。他の自己免疫疾患や神経系障害など、長期の害は、未知数である。

80歳以上でも害が利益より大きい

 ワクチンによる感染防止率95%が1年間持続し、死亡予防効果にも適用できると仮定し、日本のCOVID-19による死亡者数が今後も増加してこれまでの2倍になると多い目に推定し、日本で1人の死亡を減らすために何人に接種する必要があるかを計算した。80歳以上は1700人、70代は6400人、60代は2万人、50代は6万人、40代は20万人、30代は60万人、20代は200万人への接種を要する。30歳未満全体では600万人に接種して初めてCOVID-19による死亡を1人減らすことができる。

 つまり、日本での死亡者数をかなり多い目に推定し、接種後短期間だけの害と比較しても、重症化率や死亡率の高い80歳以上でさえ、減らせる死亡者数よりもワクチンによる死亡者(ノルウェーと同程度として)のほうが多くなる可能性がある。長期の害は測り知れない。

医療従事者では

 感染機会が多い医療や福祉関係の従事者では、利益が害を上回る可能性もあり得るが、これら高リスクの人の死亡率のデータがなく判断できない。

LEAVE A REPLY

*
*
* (公開されません)

COMMENT ON FACEBOOK

Return Top