SHUCHU PUBLISHING

病院経営者のための会員制情報紙/集中出版株式会社

未来の会

エボラウイルスようやく輸入するも 当面は薬の研究開発は行わず保管だけ

エボラウイルスようやく輸入するも 当面は薬の研究開発は行わず保管だけ
エボラウイルスようやく輸入するも
当面は薬の研究開発は行わず保管だけ

 東京五輪・パラリンピック開催を前に、危険度が高い病原体を扱える国内唯一の研究機関「国立感染症研究所村山庁舎」(東京都武蔵村山市)にようやく、エボラ出血熱を引き起こすエボラウイルスが輸入される見通しとなった。

 エボラ出血熱は、クリミア・コンゴ出血熱、南米出血熱、マールブルグ病、ラッサ熱などとともに、致死率が高いもっとも危険な「1類感染症」に区分される。現在、国内に1類感染症の病原体は存在していない。しかし、9月に開幕するラグビーのワールドカップや来年の東京五輪・パラリンピックなど世界各国から観光客が訪れる大型イベントで、こうした病原体が持ち込まれる恐れがある。エボラウイルスがないと患者の回復状況を調べる精度の高い検査が行えず、現状では治療に支障が出る。

 日本で1類感染症の病原体を扱えるのは約40年前につくられた感染研村山庁舎のBSL4(バイオセーフティレベル4=もっともレベルが高い)施設だけだが、施設は地元住民の反対などによりこれまで一度も稼働していなかった。感染研は地元住民に向けた説明会や緊急時の訓練を重ね、病原体の漏洩などの事故やテロへの対策を公開。4月の統一地方選で、BSL4施設の稼働が争点になることはなく、機は熟したといえる。

 海外に目を向ければ、米国や中国など20カ国以上に約60カ所のBSL4施設がある。これまで国内の研究者が危険度の高い病原体の研究をするには外国に出るしかなかったこともあり、これで諸外国に追い付けるかと思いきや、「冷凍で輸入し、当面は保管するのみ」(担当記者)なのだという。病原体を使った薬の研究開発などは行われない見込みで、研究するには海外に出るしかない状況は変わらない。診断精度が上がることは良いことだが、何より治療薬の開発が重要だと思うのだが……。

高齢者の「痩せ」はダメ!
厚労省が新たな指針策定へ

 日本人が食事でどのくらい栄養を取るのが望ましいかを定めた厚生労働省の「食事摂取基準」が来春、改定される予定だ。これまで50〜60代と70代以上の2つに分かれていた高齢者の分類を、50〜64歳、65〜74歳、75歳以上の3つに細分化し、目標とする体格指数(肥満度)も年齢が上がるにつれ下限値を上げた。つまり、高齢者の痩せ過ぎに警鐘を鳴らす改定になるということだ。

 これまでの研究で、若年層では「痩せ」と「肥満」の両方が死亡率を上げているのに対して、高齢者では「肥満」と死亡率上昇の関係が薄くなることが分かっている。つまり、高齢者の場合は「痩せ」に気を付けることが重要ということだ。

 厚労省の調査では高齢者の低栄養が目立っており、高齢者の食事問題は大きな課題である。さらに危険なのが、体重に変化がない場合でも、年齢とともに筋肉量が年々減っていくことだ。筋肉が減れば足腰の衰えが進み、転倒のリスクが高まる。メカニズムは不明だが、高齢者の痩せは認知症のリスクを高めることも分かってきている。

 こうした背景から、改定される食事摂取基準では、年齢にかかわらず一定だった総エネルギーに占めるタンパク質の割合を、年齢に応じて引き上げる(下限のみ)。高齢者に肉や魚、卵、乳製品などに含まれるタンパク質を多く摂ってもらうことを推奨する。筋力の維持にはタンパク質が有用とされているためだ。「肉をよく食べる高齢者は長生きする」と言われるが、タンパク質が長寿の鍵を握っているのは間違いなさそうだ。

LEAVE A REPLY

*
*
* (公開されません)

COMMENT ON FACEBOOK

Return Top
Translate »