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未来の会

00年国債で100兆円調達すれば 100日でコロナ収束を実現出来る

00年国債で100兆円調達すれば 100日でコロナ収束を実現出来る
玉木 雄一郎(たまき・ゆういちろう)1969年香川県生まれ。93年東京大学法学部卒業、大蔵省(現財務省)入省。97年ハーバード大学ケネディスクール修了、外務省で中近東を担当。2000年金融庁証券取引等監視委員会。01年大阪国税局総務課長。02年内閣府行革担当大臣秘書専門官。05年財務省退官、総選挙に初出馬し落選。09年総選挙で初当選。以後連続当選し、現在4期目。16年民進党幹事長代理。17年希望の党代表。18年国民民主党共同代表。19年国民民主党代表。

新型コロナウイルスの感染拡大は、医療提供体制の弱点がどこにあるのかを明らかにし、経済に大きな打撃を与える事になった。感染の第2波、第3波に備えるためにも、ダメージを受けている医療界を立て直すためにも、国による支援は不可欠と言える。100兆円の財政出動による万全の生活保障と休業補償こそがコロナ収束の鍵、と主張する国民民主党の玉木雄一郎代表に話を聞いた。

——パンデミックをどう捉えていますか。

玉木 今回の新型コロナは、世界的にこれだけの影響を与えたという事で、まさに歴史的な事柄だと言えます。中世にペストが流行した後、ルネサンスが起こったように、大きな歴史の転換点にあるのだという認識が必要です。これまでにも、災害や経済危機が起きた時には経済対策としていろいろな事をやってきました。しかし、今回はそれこそ異次元の対策を打たなければならないような、ものすごく大きな変化が起きているのだ、という認識がベースにあります。

——100兆円の財政出動を求める根拠は?

玉木 我々国民民主党は5月27日に「国民民主党追加経済対策〜財政支出100兆円で国民の命と生活を守る」を党として決定しました。4月〜6月期のGDP(国内総生産)の減少率が、民間アナリストの試算平均によると、年率換算でマイナス21%を超えると言われています。110兆円くらいの需要が蒸発してしまうという事です。自民党の2次補正予算提言では、今年の後半にはV字回復すると楽観的な見方をしていますが、そう簡単ではないでしょう。日本経済は昨年の消費税増税の時から既に傷んでいます。みせかけの事業規模

ではなく、「真水」で100兆円規模の対策を打たなければ、日本経済どころか、日本社会が崩壊してしまうのではないかという危機感があります。

——経済を止めた影響は大きいですね。

玉木 国が国民に向かって「働くな」「経済活動をするな」「動くな」と命じたのは初めてでしょう。経済活動を麻痺させる事が、最大の感染症対策となっているので、感染拡大を抑えるには経済を止めなければならない。しかし、経済を止める事で生活が出来なくなる、事業継続が出来なくなる人達が出てくるので、生活保障と休業補償は万全を期していこう、というのが100兆円の中身です。

——医療分野も経済的に困窮しています。

玉木 新型コロナウイルスの感染者を受け入れた病院はもちろん大変でしたが、歯科医院等それ以外の医療機関でも、診療抑制によって経営が相当厳しくなっているところが出ています。現在は第2波、第3波に備える時期ですが、日本が誇る国民皆保険制度と医療提供体制が壊れてしまうと、今後の対策等取りようがありません。そこで、まずは現場で頑張っていただいている医療従事者の皆さん、医師、看護師、検査技師等を含めた医療従事者の皆さんに、手厚い支援を行う必要があります。それと同時に、この間の減収分については、しっかりと補填していく。診療報酬を上げる形にするのか、補助金を出す形にするのか、やり方はいろいろあると思いますが、とにかく日本の医療体制が揺るがないように万全を期す必要があります。そこで、100兆円のうち8兆円は、医療機関の経営支援を含めた医療体制の強化に回しましょう、と我々は言っています。

余裕のある医療提供体制が必要

——医療体制が守られていれば安心出来ます。

玉木 これからもクラスターが生じたりする事はあるでしょうが、その時にどこまで経済活動を行えるかは、医療提供体制との関係で決まってきます。つまり、多少患者が増えたとしても、しかるべき医療機関がそれを吸収出来るなら、そんなに恐れる事はありません。今回は感染症に対応出来る病院が患者であふれてしまい、ホテルを貸してくれませんか、自宅療養してくれませんか、という状況になりました。指定感染症なので、本来は医療機関で診なくてはならないのですが、抱えきれなくなったので、例外的にホテルや自宅となったわけです。やはりきちんとした医療機関で、医療を提供出来る体制がしっかり確保されている事が大切です。病床数を含めて、常日頃から整えておかなければなりません。

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