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八千代リハビリテーション病院(千葉県八千代市)

八千代リハビリテーション病院(千葉県八千代市)

脳卒中と脊髄損傷のリハに力を入れる
186  八千代リハビリテーション病院 (千葉県八千代市)

山口県下関市を発祥の地とするカマチグループの中で、関東における“1号店”が八千代リハビリテーション病院である。

 開院のきっかけがユニークだ。同病院のある千葉県八千代市周辺にはリハビリセラピストが少ないことから、カマチグループは2004年に作業療法士と理学療法士を養成する八千代リハビリテーション学院を開院。玉突きのように、学生の臨床実習の場として地元の病院を買収、改称して同病院を2年後に開院した。

 開院10周年を迎えた2016年は、ちょうど千葉県の5年に一度の病床配分の年でもあった。この時、97床の増床が認められ、病床数は83床から一気に倍以上の180床での運営が認められた。これを機に、同病院を運営する一般社団法人巨樹の会は2018年初頭から新棟建設に取り掛かり、同年10月に病棟60床の新棟をオープンさせた。

 リハビリの主な対象疾患は脳卒中や運動器疾患、廃用症候群だが、カマチグループの創設者で、巨樹の会会長の蒲池眞澄氏の助言から、脊髄損傷のリハビリにも力を入れることを考えている。

 脊髄損傷は毎年約5000人の新規患者が発生し、患者数は10万人以上と言われる。その原因には、交通事故や転倒などの外傷以外にも、加齢による首の骨の変形で脊髄が潰れることもあり、高齢化が進む日本では患者の増加が予想されている。

 しかし千葉県内で脊髄損傷のリハビリに対応できる医療機関は極めて少ない。脊損センターのある千葉県の病院は千葉市の中心部から遠く離れた場所にあり、県民の中には埼玉県所沢市にある国立障害者リハビリテーションセンターまで通う人もいる。このような状況下、脊髄損傷のリハビリに対応できる医療機関の存在は注目に値する。

 八千代リハビリテーション病院の基本方針は①安心・安全な医療②回復期リハビリテーション医療③地域医療である。その上で、リハビリの役割として、「①身体的②精神的③社会的④職業的⑤経済的な能力を有するまでに回復させることである」を目標に掲げ、各専門職と連携を取り、患者の早期在宅復帰をサポート。リハビリセラピストも充実し、365日のリハビリを提供している。

 興津貴則院長は「患者さんの社会復帰を前提にした訓練をしっかりできるように十分な環境を整えていきたい」と語る。



八千代リハビリテーション病院

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