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「安心できる社会」「活力ある経済」 のために環境政策に力を入れる

「安心できる社会」「活力ある経済」 のために環境政策に力を入れる
原田義昭(はらだ・よしあき)1944年福岡県生まれ。68年東京大学法学部卒業。民間企業を経て、70年に通商産業省に入省。90年衆院選に旧神奈川2区から出馬し、初当選。小選挙区制への移行を機に、地元の福岡5区に拠点を移す。厚生政務次官、文部科学副大臣、外務委員長、財務金融委員長、自民党筆頭副幹事長などを歴任。2018年10月環境大臣・原子力防災担当大臣に就任。衆議院議員通算8期。弁護士。著書に『尖閣を守れ』。

「日本の医療と医薬品等の未来を考える会」の国会議員団会長を務める原田義昭氏が、2018年10月の内閣改造で環境大臣に就任した。気候変動・地球温暖化の問題や、プラスチックごみの問題など、世界中で重要視されている環境問題について、どのように取り組んでいくのか話を聞いた。環境と経済の好循環を生み出すことが、問題解決のための一つの方法になるといえそうだ。

政治家として環境問題との接点は?

原田 環境問題には政治家として以前から関心を持ってきました。というのも、私は1970年に通商産業省(現・経済産業省)に入省したのですが、産業政策という立場から環境問題を取り扱ってきました。当時は公害がひどい状況で、70年7月に公害対策本部が政府にでき、11月、12月の臨時国会は「公害国会」と言われ、公害に関する法律が14本通りました。その時、私は通産省で国会対策の下働きをしていました。翌年7月には環境庁が発足し、2001年に環境省となりました。通産省でそういった仕事をしていたこともあって、政治家となってからも、環境問題には深い関心を持ってきたわけです。ただ、当時の通産省は、経済や産業のために環境規制があまり厳しくならない方が良い、という考えを持っていました。しかし、それから50年近くが経過し、状況は大きく変わっています。環境と経済の好循環と呼んでいますが、環境政策を強化することが経済の成長にも結び付くと言われるようになりました。環境政策は産業の成長にもリンクしているので、そこをしっかりやっているところです。

環境大臣として何に取り組みますか。

原田 まずは気候変動、地球温暖化です。日本でも豪雨、台風の異常進路、酷暑などが起きていますが、これらが地球温暖化の影響でもあることが指摘され、国際的にも対策への機運が高まっています。2018年12月にポーランドでCOP24(第24回国連気候変動枠組条約締約国会議)が開催されますが、我が国としては、温室効果ガスの排出量を、2013年度比で、2030年度に26%削減、2050年には80%削減することを目標に掲げています。こういったことに、しっかり取り組んでいくことが大切です。パリ協定では、世界全体の平均気温の上昇を、産業革命前と比較して2・0度に抑えることを目標とし、1・5度までに抑える努力を継続するとしています。これを実現するために各国が目標を設定していますが、2050年までにプラスマイナス0くらいにしないと、本当の意味での理想を達成したことにならないのではないかと言われています。

温室効果ガスの削減目標は実現できますか。

原田 来年のG20サミット(金融・世界経済に関する首脳会合)の議長国としても、世界の脱炭素化を牽引していく必要があると考えています。環境と成長の好循環を実現するための原動力として、カーボンプライシング(炭素の価格付け)についても検討していく必要があります。

温暖化対策に後ろ向きの国もありますが。

原田 10月に環境省とJAXA、国立環境研究所が「いぶき2号」という衛星を打ち上げました。これは世界の気候を観測する最も進んだ衛星で圧倒的な精度を誇っており、気候変動問題を主導する時の重要な武器になってくれるでしょう。詳細なデータを提供することで、温暖化対策に二の足を踏んでいる国々を動かすことができるのではと期待しています。


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