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未来の会

第7回 保険診療のルール 〜安全で良質な医療の提供を目指して〜

第7回 保険診療のルール 〜安全で良質な医療の提供を目指して〜

検体検査判断料

我が国の国民皆保険制度は、様々なルール(健康保険法等、健康保険法施行令等〈政令〉、療養担当規則〈省令〉、診療報酬点数表〈告示〉、通知等)により司られています。本企画は、保険診療の正しい解釈をお伝えし、保険医療機関の「安全で良質な医療」の提供と共に、収益増大の一助となる事を期待しています。

 今回は「D026 検体検査判断料1〜7」を取り上げます。

 検体検査判断料は昭和63年に初めて保険収載され、平成4年4月版の診療報酬点数表甲表では044-3検体検査判断料として1.から7.までが保険収載されていました。平成6年4月版の医科点数表の解釈では、現行表記のD026検体検査判断料の1〜6が保険収載されました。(※前出の7.病理学的検査判断料100点は、D105病理学的検査判断料105点として別項となる)。そして、令和2年、2遺伝子関連・染色体検査判断料が加わり、現行の1〜7として保険収載されています(表1)。

1尿・糞便等検査判断料      34 点
2遺伝子関連・染色体検査判断料100 点
3血液学的検査判断料       125 点
4生化学的検査(Ⅰ)判断料 144 点
5生化学的検査(Ⅱ)判断料 144 点
6免疫学的検査判断料 144 点
7微生物学的検査判断料   150 点
表1 D026 検体検査判断料

 検体検査判断料は、結果を基にした医師の良質な医療の提供に対する、一種のドクター・フィーと言えます。その為算定する際には、結果に対応する診察の証として、診療録に判断の要点を記載する事にご留意下さい。以下に、算定頻度の高い項目に関する主な告示、通知等を抜粋しご紹介します。

【告示】
注1検体検査判断料は該当する検体検査の種類又は回数にかかわらずそれぞれ月1回に限り算定できるものとする。ただし、区分番号D027に掲げる基本的検体検査判断料を算定する患者については、尿・糞便等検査判断料、遺伝子関連・染色体検査判断料、血液学的検査判断料、生化学的検査(Ⅰ)判断料、免疫学的検査判断料及び微生物学的検査判断料は別に算定しない。

3 区分番号D004-2の1、区分番号D006-2からD006-9まで、区分番号D006-11からD006-20まで及び区分番号D006-22からD006-30までに掲げる検査は、遺伝子関連・染色体検査判断料により算定するものとし、尿・糞便等検査判断料又は血液学的検査判断料は算定しない。

4 検体検査管理に関する別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険医療機関において検体検査を行った場合には、当該基準に係る区分に従い、患者(検体検査管理加算(Ⅱ)、検体検査管理加算(Ⅲ)及び検体検査管理加算(Ⅳ)については入院中の患者に限る。)1人につき月1回に限り、次に掲げる点数を所定点数に加算する。ただし、いずれかの検体検査管理加算を算定した場合には、同一月において他の検体検査管理加算は、算定しない。

  イ 検体検査管理加算(Ⅰ)  40点
  ロ 検体検査管理加算(Ⅱ) 100点
  ハ 検体検査管理加算(Ⅲ) 300点
  ニ 検体検査管理加算(Ⅳ) 500点

8 区分番号D005の14に掲げる骨髄像を行った場合に、血液疾患に関する専門の知識を有する医師が、その結果を文書により報告した場合は、骨髄像診断加算として、240点を所定点数に加算する。

9 区分番号D015の17に掲げる免疫電気泳動法(抗ヒト全血清)又は24に掲げる免疫電気泳動法(特異抗血清)を行った場合に、当該検査に関する専門の知識を有する医師が、その結果を文書により報告した場合は、免疫電気泳動法診断加算として、50点を所定点数に加算する。

【通知】
(1)検体検査については、実施した検査に係る検体検査実施料及び当該検査が属する区分(尿・糞便等検査判断料から微生物学的検査判断料までの7区分)に係る検体検査判断料を合算した点数を算定する。

(2)各区分の検体検査判断料については、その区分に属する検体検査の種類及び回数にかかわらず、月1回に限り、初回検査の実施日に算定する。

(4)同一月内において、同一患者に対して、入院及び外来の両方又は入院中に複数の診療科において検体検査を実施した場合においても、同一区分の判断料は、入院・外来又は診療科の別にかかわらず、月1回に限る。

(5)上記の規定にかかわらず、D000尿中一般物質定性半定量検査を実施した場合は、当該検査に係る検体検査判断料は算定しない。B001特定疾患治療管理料の「15」の慢性維持透析患者外来医学管理料又はD025基本的検体検査実施料を算定した月と同一月に検体検査を行った場合は、それぞれの区分に包括されている検体検査に係る判断料は別に算定できない。

(8)入院中の患者について「注4」に規定する検体検査管理加算(Ⅱ)、検体検査管理加算(Ⅲ)又は検体検査管理加算(Ⅳ)を算定している保険医療機関であっても、入院中の患者以外の患者について検体検査管理加算(Ⅰ)を算定することができる。

(12)「注8」に規定する骨髄像診断加算は、血液疾患に関する専門の知識及び少なくとも5年以上の経験を有する医師が、当該保険医療機関内で採取された骨髄液に係る検査結果の報告書を作成した場合に、月1回に限り算定する。

(13)「注9」に規定する免疫電気泳動法診断加算は、免疫電気泳動法の判定について少なくとも5年以上の経験を有する医師が、免疫電気泳動像を判定し、M蛋白血症等の診断に係る検査結果の報告書を作成した場合に算定する。

1日に1回しか算定できない採取料
D400 血液採取
    1.静脈 40点
    2.その他(耳朶採血または指尖採血など) 6点
D419 その他の検体採取
    3.動脈血採取 60点
    6.鼻腔・咽頭拭い液採取 25点
同日には併用算定不可の採取料 ※どれか1つしか算定できません
D400 血液採取(同上)
D418 子宮膣部等からの検体採取
    1.子宮頸管粘液採取    40点
    2.子宮腟部組織採取  200点
    3.子宮内膜組織採取  370点

Dr.の保険診療 うっかりCheck

Q:検体検査判断料を算定する場合、要点を診療録に記載する必要は有りますか?
A:記載する事が算定要件とはなっていませんが、その結果を“Object”に、その判断を“Assessment”に記載する事を推奨します。仮に、検査結果を確認しない等、不適切な診察に於いて算定する事は、良質な医療の提供として誹りを免れません。

Q:生活習慣病管理料(Ⅰ)あるいは(Ⅱ)を算定する場合、検体検査判断料は併算定出来ますか?
A:(Ⅰ)では包括されますが、(Ⅱ)では併算定が可能です。例えば再診の糖尿病患者の管理で試算すると、(Ⅱ)は、333点+再診料(75点)+処方箋料(60点)の計468点になります。仮にD005 9 HbA1c(49点)、D007 1グルコース(11点)を検査した場合、血液学的検査判断料(125点)、生化学検査(Ⅰ)判断料(144点)を併せて算定が可能となり、計468+329=797点となります。これらの検体検査が(自院で)診療日に可能な場合、外来迅速検体検査加算(上記の場合20点)も併せて算定でき計817点となります。更にD000尿中一般物質定性半定量検査(26点)を実施する場合、外来迅速検体検査加算(10点)を加えて853点になります。一方、(Ⅰ)では、760点+再診料(75点)+処方箋料(60点)の計895点となります。(Ⅰ)あるいは(Ⅱ)の選択については、先生方が管理する患者の病態に基づき、実施される検査内容の多寡から考えてみるのはいかがでしょうか。

Q:骨髄像診断加算(240点)について、専門の知識を有する医師とは、どのような医師を指しますか?
A:例えば、血液内科医や小児科の内、血液系疾患を専門とする医師、臨床検査に従事する医師、病理に従事する医師等です。

Q:検体採取時の採取料算定の注意点を教えて下さい。
A:検体検査時に、患者が自分で検体を採取出来ないものは、「診断穿刺・検体採取料」の項目から算定します。一方、尿や便、喀痰等患者が自分で採取する場合は、採取料を算定出来ません。その他採取料算定のルールを表2に示します。

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