
人々が繋がる医療のモデルケースへ
270 フロイデケアタウンひたちなか(茨城県ひたちなか市)
太平洋に面した水戸市のベッドタウン、茨城県ひたちなか市は全国一の干し芋の産地で知られる。市内にあった1.4haのサツマイモ畑の跡地に、フロイデケアタウンひたちなかの整備が始まったのは2012年。昨年、4期目に当たるサービス付き高齢者住宅や保育施設等が開設され、全体が完成した。
運営する志村フロイデグループ(SFG)は、志村大宮病院(同県常陸大宮市)を中核に、医療法人と社会福祉法人・学校法人を運営している。国が地域包括ケアに取り組み始める前から、地域リハビリテーションの理念に沿って、住み慣れた地域で何時迄も安心して暮らせる社会の実現を目指し、地域と連携した医療・福祉サービスの在り方を模索してきた。
エリア内には7つの建物があり、在宅療養支援診療所「みんなの内科外科クリニック」(19床)を始め、地域包括支援センター等の相談施設、通所リハビリ施設、児童発達支援施設等27事業所を整備。医療・福祉への多様なニーズに対応出来る様にした。
中央に在る「フロイデひたちなかリハビリ公園」は24時間開放されており、誰でも利用する事が出来る。朝夕は高齢者の散歩コースとなり、噴水も設えている為、昼間は親子連れが遊びに訪れる。又、施設内にはカフェ・フィットネスに加え、周辺住民が自由に利用出来る交流施設や中学生以上なら誰でも使える学習スペースも設置され、日々、幅広い年代の住民が訪れ、思い思いに過ごしている。
エリアの中央に公園を配置したのは、市民が集う広場を中心としたヨーロッパの街に倣った為である。各棟には「ミュンヘン」等ドイツの都市名が付けられており、SFGの鈴木邦彦理事長が留学で訪れたドイツの街並みの風景に感銘を受けた事が由来となっている。
ケアタウン全体のデザインも、住宅が集まった周辺の街並みに溶け込む様設計。通路や公園の各所に緑を配置する事で、来訪者が四季折々の風景の移り変わりを楽しめる。屋外照明は暖色系とし、夜も温かな光に包まれる様にした。施設内には随所に絵画等も飾られているが、ケアタウン全体が地域住民の心を癒やす、1つのアートとも呼べる場所となっている。
施設等の運営には、住民から募ったボランティアによるサポーターも関わり、現在約200人が在籍している。活動を通じ住民同士の交流を図ると共に、社会貢献や生き甲斐作りにも繋げて貰うのが狙いだ。更に、「0歳から100歳迄の居場所」として、病気や障害の有無に関係無く、元気な内からケアタウンに足を運び、いざという時にも気軽に医療機関・介護施設を利用して欲しいという願いも有る。
「自治会等の活動も減り、近所付き合い等の地域の繋がりが希薄化する中、医療や福祉を通じて互いに助け合える地域社会を構築していきたい。それが地域包括ケアシステムの構築にも繋がっていくのだと思います」(鈴木理事長)
少子高齢化が進む地域の中核として、子供達を育みながら人々の健康を守り、豊かな老後を支援する取り組みは始まったばかりだ。



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