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新久喜総合病院(埼玉県久喜市)

新久喜総合病院(埼玉県久喜市)
24時間365日「断らない病院」
154・新久喜総合病院(埼玉県久喜市)

 2011年の開院から5年で経営難に陥った「久喜総合病院」。成長著しいカマチグループの一般社団法人巨樹の会がこの4月、経営母体の埼玉県厚生農業協同組合連合会から事業譲渡を受け、「新久喜総合病院」として再スタートを切った。

 最大の理念は「断らない救急、患者さんを全て受け入れる」。久喜総合病院時代は、三十数回のたらい回しで患者を救えなかったこと、ベッドが300床あるにもかかわらず、目の前の患者を断らざるを得ないことがあった。新病院の方針を180度変えさせたのは、つらい経験をした久喜市民の声だった。生まれ変わった病院は、わずか1カ月で救急患者数が約5倍近くに増え、患者の家族がブログで感謝のコメントを書き込むほどになった。病床もフルに稼働し、埼玉県北部の救急医療を担う存在になりつつある。

 救急科部長で心臓血管外科部長の岡崎幸生医師は「救急患者を全て受け入れることに対し、自分の専門外の患者さんが来たらどう対処すればよいか、不安を持つ医師もいました。自分の家族だったらどうするかと問うことで、救急車の中で右往左往せず、早く応急処置を施し、その後で専門医へつなぐという救急医療の要を理解してもらえました」と話す。外科医の気質が臨床研修医にも現れ、「肉食系研修医」と院内で呼ばれるアグレッシブな医師が多いという。

 今後はより充実した医療体制づくりを目指している。医師の増員はもとより、救命救急に迅速に対応できる心臓血管外科、脳神経外科、消化器外科などの専門医はよりスペシャリストになってもらう一方、救急医療に携わる医師にはゼネラリストのマインドを身に着けてもらう。複数の医師で救急に対応することで、お互いの専門外を補足し合う体制づくりも目指す。そこまでする裏に、地元の患者が東京の病院に治療に行き、地元居住の医師も東京の病院に勤めている現状がある。岡崎医師は「我々が努力することで地元の人たちが安心し信頼して当院に来てくださり、さらには地元居住の医師の採用にもつながります」と言う。

 「今は患者さんが病院を選ぶ時代」(山本龍一事務局長)と、積極的にPR活動に取り組み、院内健康教室やお祭りイベントの開催、広報活動などを行っている。医師、職員が志を一つにしたことで、早くも地域で「頼りになる病院」と評判だ。

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