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医薬品の7割が「違反」なのに 処分できない厚労省の保身  厚生労働省が6月1日、国内で承認されている全医薬品(3万2466品目)の約7割に当たる2万2297品目の製造販売承認書に、製造実態と異なる記載があったと発表した。担当記者によると、厚労省は「誤字や単位のミス、数字の桁数の間違いがほとんどで、薬の品質や安全性に影響はない」と説明したというが、試験方法を勝手に変えていたり原料の仕入れ先の名称が古いまま更新されていなかったりと、命に関わる医薬品を扱うメーカーとしてあまりに自覚に欠ける行為だ。

 誤り発覚のきっかけは、化学及血清療法研究所(化血研)が承認書と異なる方法で血液製剤を製造していた問題を受け、厚労省が製造販売業者646社に指示した自主点検。社名は非公表だが479社に何らかの食い違いがあり、うち5社は300品目以上に誤りがあったことから、他品目を扱う大手メーカーであることが想像できる。

 こんなにも多くの誤りが見つかった原因は、2002年の薬事法(当時)改正だと厚労省は説明する。法改正により承認書に製造工程を細かく書くように義務づけられたのだが、このときに誤記をしたままになっていた例が多かったという。ところが、厚労省は故意ではなく健康被害もないとの理由から行政処分は行わず、口頭で注意するだけの甘い行政指導にとどまった。

 担当記者は「見逃していた厚労省にも問題があるのに、行政処分などしたら何を言われるか分からないからだろう。厚労省と医薬品医療機器総合機構(PMDA)がザル審査をしていたことが明らかになった」と呆れる。厚労省と製薬企業、規制する方とされる方なのに、どちらかを責めると返ってきてしまうブーメランなのだった。

「性交渉で感染」「胎児に異常」 ジカ熱最新知見の嫌な感じ  いよいよ8月に開幕するリオデジャネイロ五輪。日本からも多くの観戦者がブラジル入りする予定だが、そこで恐れられているのがジカ熱だ。

 世界保健機関(WHO)は6月中旬、「現地は冬になって蚊の活動が低調になるため、ジカ熱の国際的な感染拡大のリスクは非常に低い」との見解を発表したが、専門家はこの見通しに懐疑的だ。

 「専門家が警戒するのはジカウイルスの感染経路。どうも性交渉による感染力がこれまで考えられてきたより強いようだ」(医療ジャーナリスト)。

 ジカウイルスはデング熱を引き起こすデングウイルスと同じフラビウイルス科で、ウイルスを持った蚊に刺されることで感染が広がる。感染してもデング熱ほどの激しい症状は出ず、致死的な状態に進むことはないとされる。

 ところが、ブラジルなど中南米での流行を受けて研究が進むにつれ、このウイルスがデングウイルスとは大きく異なる特徴を持っていることが分かってきた。「ジカウイルスは血液より精液の中に多く存在するようだ。しかも、感染から41日経ってもまだ、感染力を持って精液の中に存在していた。これはとても恐ろしいこと」(同)。

 ジカ熱は成人が感染する分には多くが軽症で済むが、妊娠初期の女性が感染すると胎児が小頭症になるリスクが高まる。しかも、症状が軽いゆえに感染に気づかないことも多い。男性が感染に気づかないまま女性と性交渉して感染を広げるだけでなく、女性が妊娠すれば胎児に危険が及ぶのだ。「ブラジルはただでさえ開放的なお国柄。五輪開催となればお祭り騒ぎで、夜の国際交流も活発化する可能性が高い」と専門家。幸いコンドームを適切に使えば感染は防げる。未来の命に関わることだけに「WHOはもう少し厳しい見通しを示してほしい」という専門家の指摘はもっともだ。

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