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第24回 セクハラによる懲戒処分で幹部が辞職

第24回 セクハラによる懲戒処分で幹部が辞職

 女性活躍や働き方改革を推進する厚生労働省で、上司によるパワハラやセクハラが横行している。そうした評判を体現していた人物が省を去った。吉岡てつを・前九州厚生局長(1985年、旧厚生省)だ。知人女性にわいせつな行為をしたとして、7月下旬から停職1カ月の懲戒処分を受け、その処分が明けた8月末に辞職した。

 吉岡氏のパワハラ・セクハラ癖は有名で、「省内で知らない人がいないぐらい」(大手マスコミ記者)だった。ある中堅職員は「人事で自分が採用した時の若手職員を集め、吉岡会という飲み会を開き、参加した男性職員には裸踊りをさせ、女性職員には抱きついたりしていた。気に入れば、それ以上の仲になる女性職員もいたほどだ」と明かす。

 そうした乱痴気騒ぎを繰り返し、セクハラに対する意識を麻痺させていったとみられ、別の職員は「吉岡氏の女性好きは病気といえるほどのレベルだった」と呆れる。

 処分を受けた内容は、2015年11月に知人の女性と飲食をした後、無理やりキスをして胸を鷲摑みにしたというものだ。古い事案だが、セクハラを繰り返す吉岡氏に憤りを感じた被害関係者側が、厚労省に訴え出た結果とみられている。セクハラ同様、パワハラもひどく、「きつく指導されたことがある」と明かす職員もいた。

 吉岡氏は元々、能吏として知られていた。熊本県出身で鹿児島ラサール高校を経て早稲田大政治経済学部を卒業した。入省後は援護局庶務課を振り出しに、大臣官房政策課や健康政策局計画課、医薬安全局企画課などでの勤務を経て、内閣参事官や医政局総務課長、会計課長など厚生系のエリートコースを歩んできた。

 年金記録問題が発覚した当時、追及する野党に社保庁幹部として毅然と言い返す姿を覚えている同僚職員も数多い。ある幹部は「口もうまく、野党相手にもひるまずに言い返し、それでいて説得力があった。答弁能力はピカイチだ」と振り返る。

 しかし、パワハラやセクハラが厳しい世情になるにつれ、省内から「いくら優秀でもセクハラやパワハラがひどく省内に置いておけない」と18年夏の人事で九州厚生局長に「左遷」された。

 実は、省内には吉岡氏の事案以外にもセクハラが横行している。厚生系のある課長は女性職員を2人きりの飲み会に無理に誘って幹部から注意されたことがある。労働系のある課長も酔った勢いで女性職員をホテルに誘うことを繰り返すなど、特に幹部職員の間にセクハラ防止に対する意識は乏しい。

 ある女性職員は「高校や大学時代に女性慣れしていないのか、偉くなってからセクハラをしようとする職員が多い。いい加減にしてほしい」と訴える。こうしてみれば、吉岡氏のセクハラ事案は氷山の一角にすぎないことが分かる。

 吉岡氏は停職処分が明けた後に辞職し“けじめ”を付けた。同期の濱谷浩樹・保険局長が事務次官への道を着々と歩んでいるのとは対照的だ。企業にパワハラやセクハラの防止を指導する立場の厚労省だけに、吉岡氏の処分を受けて省内の綱紀粛正が一層図られることに期待したい。

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