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医事課長らと医師法21条の解釈を再確認

医事課長らと医師法21条の解釈を再確認
元厚労副大臣ら交えた懇談会で医療現場の懸念を解消

医師法21条に関する厚生労働省医政局医事課長通知を巡り、死因究明制度への提言などを行ってきた一般社団法人医療法務研究協会は3月14日、「医師法21条(異状死体の届け出義務)に関する懇談会」を衆議院第二議員会館内で開いた。

 開催の背景には、2月8日付で出された医事課長通知が「医師による異状死体の届出の徹底」を求めており、医療現場からは従来の解釈を変えるものではないかとの懸念の声が出ていたことがある。

 懇談会では、座長の小田原良治・同協会理事長の他、通知発出元の佐々木健・厚生労働省医政局医事課長も参加。橋本岳・自民党衆議院議員(元厚生労働副大臣)と同協会顧問の井上清成弁護士も交え、医事課長通知が医師法21条の解釈を変えるものではないことを確認した。

 医事課長通知は「医師が死体を検案するに当たっては、死体外表面に異常所見を認めない場合であっても、死体が発見されるに至ったいきさつ、死体発見場所、状況等諸般の事情を考慮し、異状を認める場合には、医師法第21条に基づき、所轄警察署に届け出ること」を求めていた。この「死体外表面に異常所見を認めない場合」が診療関連死も含めているのではないかとの疑念を招いた。

 懇談会の冒頭、小田原理事長は「佐々木医事課長の通知が発せられ、私自身は非常に驚いた。今までの厚労省見解や裁判所判例を覆すようなものではないかと憤った」と述べた。

 まず、小田原理事長から法律的な視点からの見解を求められた井上弁護士は、厚労省幹部の過去の発言や最高裁判決などを示し、「今回の通知は従来の厚労省の見解や裁判所の判例と矛盾するものではない」と結論付けた。

 次いで橋本議員は、前日13日の衆議院厚生労働委員会で、医師法21条に関して質疑を行った際の吉田学・厚労省医政局長の発言を紹介。今回の医事課長通知が、2012年の医療事故調査制度創設に向けた厚労省検討会での田原克志・医事課長の発言や、14年の参院厚生労働委員会での田村憲久・厚労相(いずれも当時)の答弁の内容を維持しているのかと質問したところ、吉田氏は過去の答弁などと同じ趣旨だと答えた。

 また吉田氏は、医師法21条に基づく異状死体の届け出基準について「全ての場合に適用し得る一律の基準を示すことが難しいということから、個々の状況に応じて死体を検案した医師が届け出の要否を個別に判断すると考えている」と回答した。

 佐々木課長は「今回の通知は従前の内容と同じで、何ら変わるところはない」と述べた。「従前」とは、前述の田原医事課長、田村厚労相の発言に加え、都立広尾病院事件判決における医師法21条の解釈を示す。

 最後に小田原理事長は「今回の医事課長通知は従来通りのものなので、医療界はこれで安心し、過剰な反応はしないようにお願いしたい」と締めくくった。

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