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分科会第2回

「歌舞伎町の女王」と「偽善の帝王」のバトルの行方に目が離せない

 議論が迷走する中、新専門医制度に反対する急先鋒、医療ガバナンス研究所理事長の上昌広氏に敢然と立ち向かう〝ジャンヌ・ダルク〟の存在が医療関係者の間で話題となっている。

 「新宿ミネルバクリニック院長の仲田洋美医師ですね。数年に1度、思うところがあると会見してご自身の主張を訴える方ですが、最近のテーマは新専門医制度のようです」(医療担当記者)

 関係者によると仲田氏は昨年、若手医師らが「新専門医制度は女性医師に不利だ」と見直しを求める陳情書を塩崎恭久厚生労働大臣に提出したことに憤り、厚労省の記者クラブで会見。会見に出た記者は「自分も出産したが専門医の資格を複数取得した。出産や育児で専門医の取得が不利になるというのは甘えだと一刀両断でした」と振り返る。

 制度に反対した若手医師らが所属していたのは、上氏が支援する福島や宮城の医療機関。仲田氏は、彼らの背後に上氏がいるとして、ブログやツイッターで上氏に反論する情報発信を積極的に始めた。

 「仲田氏が偉いのは、厚労省の専門医制度の検討会などに足繁く通い勉強しているところ。上氏の行動を苦々しく思っている医療関係者は多いから、仲田氏の言動に拍手を送る人は少なからずいるはずです」(前同)

 とはいえ、「仲田氏のブログには日本医学会の髙久史麿会長(当時)とのツーショット写真が堂々と掲げられていて、権威を笠に着ているように見えなくもない。徒党を組むことを嫌う割には、敵対する人物のブログやフェイスブックの『いいね』数を競うなど負けず嫌いで、自己顕示欲がチラチラ見えます」と医療関係者。

 「歌舞伎町の女王」(クリニックの所在地が新宿・歌舞伎町)を自称し、上氏を「偽善の帝王」と呼んで批判する仲田氏。今のところ上氏の反論はないが、バトルの行方から目が離せない。

「相次ぐ無痛分娩事故の裏に
産婦人科医会の影?

 これまでも産婦人科の危機はさんざん伝えられてきたが、ここのところ「無痛分娩」の危険性をあおる報道が散見するようになってきた。

 「今年4月、厚生労働省研究班が7年間に報告された妊婦死亡例298人を分析したところ、このうち13人が無痛分娩だったとの結果を出し、大きく報じられた。研究班は、十分な医療体制を整えた上で無痛分娩を実施するよう、提言書を出しました」(医療担当記者)

 その後、大阪府の「老木レディスクリニック」、神戸市の「母と子の上田病院」、京都府の「ふるき産婦人科」の3カ所で、無痛分娩時の麻酔が原因と疑われる妊婦や新生児の死亡や障害が相次いで起きていたことが報じられた。

 「無痛分娩は欧米では普及しており、日本でも近年、急速に広まってきた。しかし、対応出来る医療機関は限られ、質も一定ではない」と医療関係者は語る。重く見た日本産婦人科医会は6月から、全国の分娩を取り扱う医療機関にアンケート調査を実施。無痛分娩の取り扱いの有無や件数、医療体制などを調べている。

 ただ、こうした医会の動きには「裏」があると見る関係者もいる。事故が起きた医療機関では、妊婦死亡例を報告する医会の制度を利用しておらず、医会と距離を置いている。医師会に所属していない医療機関もあったようだ。

 産婦人科医の間では、「医会は自分達の影響力が及びにくい医師に対して、無痛分娩を口実に締め付けを厳しくしたいのではないか」との声が上がっているが、果たして……。

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