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第11回 「日本の医療と医薬品等の未来を考える会」を開催

第11回 「日本の医療と医薬品等の未来を考える会」を開催

2017年2月22日(水)17:00~18:30、参議院議員会館講堂にて、「日本の医療と医薬品等の未来を考える会」の第11回勉強会を開催いたしました。
詳細は、月刊誌『集中』2017年4月号にて、事後報告記事を掲載いたします。

まず、当会主催者代表の尾尻佳津典より、挨拶させていただきました。
「本日の勉強会には、講師として厚生労働省医政局地域医療計画課の佐々木健課長をお招きしました。医療行政の全般について、特に地域医療についてお話いただきます」
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続いて、当会国会議員団代表の原田義昭・衆議院議員にご挨拶いただきました。
「医療、社会保障は国にとって大きな政治課題です。財政が逼迫し大変な時代を迎えていますが、そうした中にあって、広く医療関係者や福祉関係者のご意見をすくい上げ、私ども議員がそれを党内や政府に訴え、政策に反映させていくことは重要です。今回で11回目になりますが、このような地道な勉強会を通じて、少しでも世の中のため、国民のために、お役に立てればと考えています」
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今回の講演は、佐々木健氏(厚生労働省医政局地域医療計画課長)による『地域医療構想と第7次医療計画について』と題するものでした。
以下はその要約です。
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地域医療構想において、2025年が政策のターゲットになっているのは、この年に団塊の世代が75歳以上になり、医療・介護のニーズが高まると考えられるからです。
そのため、社会保障をリフォームしていこうということです。ただ、高齢者人口の増加には大きな地域差があり、地域によってはすでに医療需要がピークを過ぎています。
医療資源の効果的かつ効率的な配置を促し、誰もがより良質な医療を受けられる体制を作ることが必要です。そこで地域医療構想では、2025年に向けて病床の機能分化を進めるため、医療機能ごとに2025年の医療需要と病床の必要量を推計しています。
現状(2013年)の病床数は134.7万床で、機能分化しないまま病床数が増えていくと、2015年には152万床程度になります。
機能分化を進めて効率化を図ることで、これを115~119万床程度にできると考えられています。
減らした約30万人程度は、在宅医療や介護施設などで対応することになります。
都道府県の地域医療構想は、平成28年度中にすべて策定が完了することになっています。
それを実現させていくため、まず医療機関が「地域医療構想調整会議」で協議を行い、機能分化を進めます。
都道府県は約900億円の「地域医療介護総合確保基金」を活用し、病床機能転換に伴う施設整備や設備整備を進めます。
それでも進まない場合には、都道府県知事が医療法上の権限を発揮して機能分化を推進していくことになります。
平成30年4月に向けて、医療・介護の分野ではさまざまな改正が予定されています。
医療と介護の報酬改定が行われますし、医療計画の第7次計画、介護保険事業計画の第7次計画も、平成30年4月から始まるからです。
これから一斉に変わっていくことになります。5疾病・5事業及び在宅医療については、引き続き重点的に取り組みを推進していくことが盛り込まれています。
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講演後には質疑応答があり、次のような発言がありました。

尾尻
「地域医療構想を実現するために、国はアメとムチを用いているよう思えます。医療法人の統合、再編を国が主導してやっていくという考えがベースにあるのでしょうか」

佐々木
「地域医療構想でご理解いただきたいのは、医療需要はいずれピークを迎え、その後減っていくということです。患者さんが減れば、たとえ診療体制を整えても経営は成り立たないと思います。各医療機関には、10年後20年後に、病院をどのようにしたいのかを真剣に考えいただくことが必要です。その実現を支援するために基金も準備されているわけです。地域医療連携推進法人という制度もできています。一種のホールディングのような形で、話し合いながら病床機能の再編を進めていこうというものです。そのようなさまざまな手法を駆使して、単独でやるのもよし、組んでやるのもよしということです。各病院にとって、将来を真剣に考える時期なのだということをご理解ください」

篠原裕希(篠原湘南クリニックグループ理事長)
「神奈川県の地域医療構想の策定は終了しましたが、現場では混乱があります。地域医療構想はどの程度の強制力を持つのでしょうか。また、調整会議のメンバー選定に問題があり、現場の声が反映されていません。なんとなく型通りに選ばれていて、ほとんど理解していない人もけっこう入っているようです」
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佐々木
「神奈川県は既存病床を超える整備が必要とされている地域がありますが、それは2025年時点でそうだということで、ピークを過ぎたら逆に必要がなくなります。整備したものをつぶすのは大変なので、本当に必要なのかを見据えながら、地域でよく話し合っていただきたいのです。試算にはいろいろな問題があるので、そんなに必要ないとか、もっと必要だといった話し合いを地域で行っていただきたいと思います。調整会議のメンバーについては、個別の議論をするときに、関係する病院抜きで議論することはできません。かといって、何百人も集まるような会議でも困るので、議題を絞ったりすることで調整していけばよいのではないかと思います」

荏原太(医療法人すこやか高田中央病院院長)
「厚生労働省の回復期に関する施策を見ていますと、ベンチマークをし、うまくいかないとすぐに方針を変えているようにいるように思えます。地域包括ケア病床について、今後どうなっていくのでしょうか。また、介護療養病床の据え置き6年間について、どうしてそうなったのか経緯を教えてください」
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佐々木
「私の担当ではありませんので、私見を申し上げます。地域包括ケア病床は平成26年の診療報酬改定で入り、28年改定で少し改正されていますが、方向性は地域包括ケアの核となる病床として育成していこうということです。近未来の予想は難しいのですが、平成30年改定に向けて、要件が厳しくなるということはあまり考えられないと思います。介護療養病床については、非常に熱心に低コストで質の高い医療介護をやっている先生方がたくさんいる領域です。実際、そこに入っている人もいますので、どうしても時間的余裕が必要ということで、6年ということになったのだと理解しています」
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当会国会議員団の三ツ林裕巳・衆議院議員と、山口和之・参議院議員にもご挨拶をいただきました。
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三ツ林
「私は医師でして、この会には最初から参加させていただいております。これから平成30年に向けて、あるいは2025年に向けて、地域包括ケア、地域医療構想が動き出していきます。本当に大変なのはこれからで、地域医療介護総合確保基金を利用してということですが、実際にはなかなか難しい問題もあると思います。私は、医師の偏在により、多くの地域で医療が困難に直面していると考えています。今必要とされているのは、大学の医師派遣機能です。これを強化していかないと、地域医療構想はうまく機能しないのではないでしょうか。厚生労働省にもきめ細かく対応していただきたいと思っています」

 

山口
「医師の偏在のお話が出ましたが、この問題を解決しないと、日本の地域医療はうまくいきません。特効薬は見つかりませんが、これをやらない限り、本日うかがった話も成立しないのではないかと思います。医療機関を経営されている方も、それを利用する方も、非常に心配しているところでしょう。安心できるように、改革に向かっていってほしいし、それをしっかり支援したいと考えています」
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