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第102回 沖縄の諦観

第102回 沖縄の諦観
第102回 沖縄の諦観 南淵宏明(昭和大学教授)

沖縄では大阪弁を使いにくいご時世となった。

 「どこつかんどんじゃ!ぼけ!〇〇め」、と官憲が大阪弁で住民に暴言を吐いた事件が起こったからだ。府知事や沖縄担当大臣も「ご苦労さん」「決して悪いこととは言えない」と是認し、メディアは既に封殺した事件だろうが、現地はそうはいかない。

 識者が指摘するように、組織内で事前にそういった刷り込み教育というか、洗脳があったのだろうと想像する。

 「あいつら何かの勢力に金で操られとるんや! いわしたれ! おまえらのケツ持ちは府警本部や! ただしモンモン(専門用語で『入れ墨』のこと)見せたらあかんど」

 こういった上官の激励というか指導があったのだろうか。

 弱いものイジメが大好きな暴力国家はtyrannieに他ならないのだが、沖縄の人たちはそんな国家権力の理不尽な扱いには諦観を覚えているように思える。

 何か事があれば盾にされる。そして裏切られ、背後から撃たれ、挙げ句、なかったことにされる。

 以前と同じ事がどうせ繰り返されるのだろう、と諦めている。

 だが、これはウチナンチュウだけがそうではない。ナイチャーも同じだ。

 伏龍作戦では沖縄の鉄血勤皇隊と同じく防衛出動という名目で駆り出された少年たちが空気袋を背負わされて海に沈められた。

 そんなtyrannieは、従わないにはひどい。

 「非国民」「隣国の走狗」「お遊び」「赤」とレッテルを貼られ、おとしめられる。

 私もそうなってはいけないので、原発には大賛成だし、マイナス金利も素晴らしい政策だと思うし、これからはどんどんと消費が増えてアベノミクスは繁栄を極めるだろうと心の底から信じている。

 リニア新幹線はディズニーランドのアトラクションとは比較にならないほど楽しそうな乗り物だし、利権で多くの企業が潤うオリンピックは国是に他ならない。豊洲新市場の地下の水銀、シアン、六価クロム、ベンゼン、ヒ素など人体に影響などあるわけはないし、湧き出る水は「水道水より安全でがぶがぶ飲んでもいい」と思っている。きっとシアンの甘みがきいていておいしいことだろう。

 豊洲の卸売市場の隣には、豆腐屋さんよりも安全な原子力発電所を建設したらどうだろう。未来の人類社会のエネルギー、プルトニウム高速増殖炉の方がさらに安全かも知れない。

 とにかく薩長権門財閥に逆らう輩は朝敵だ。九族根絶の極刑だ。

 ところで、夏にはアイスクリームの売り上げは増える。同時に子供の水の事故も増える。

 だが誰も、子供の水の事故の原因はアイスクリームのせいだ、と主張する人はいないだろう。

これを疑似相関という。

 ならば、「原発事故と子供の甲状腺ガン発病増加の関連性」も同じ疑似相関なのだろう。お偉い専門家が「関係はない」と断言しているからだ。これが正しい科学者の大人の対応なのだろう。データでは「関係があるとは言えなかった」はそういう科学では「関係ない」という結論になる。

 水俣病をはじめとした公害裁判、森永ヒ素ミルク事件と同様、原発利権や豊洲の安全確認でも、お偉い科学者様たちの大活躍をみんなで応援しようではないか!

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